内容説明
4つの謎と事件の行方
重版の快シリーズ第10弾!
『お富 与三郎』は、木更津から始まった実話だった!
『篠屋』に現れたおきちの秘められた過去。
あの「お富さん」はその後、どんな人生を生きたのか?(第一話「お富さん地獄めぐり」)
「兄の幸太郎は生きている」と篠屋の主・富五郎は突然、綾に告げる。住み込み女中となって働きながら兄を探していた綾は、微かな手掛かりを頼りに兄の痕跡を追う。そんな折、お忍びで綾の前に現われた天璋院(篤姫)がもたらした天佑とも思える話と「その意気じゃ、今度こそ逃してはならんぞ!」の言葉に励まされ、三田聖坂に向かう綾。果たして……。(第四話「天璋院様お成り」)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
53
切られ与三とお富さん、アーネスト・サトウ、天璋院篤姫など有名人続々登場。やっと綾の兄の行方が分かったけれどまだ会えない。明治になって「篠屋」にどういう変化があったのかという面からの時代感も知りたい。2023/09/02
ひさか
19
2023年9月二見時代小説文庫刊。書き下ろし。シリーズ10作目。お富さん地獄めぐり、花盗っ人、魔物,東京を走る、天璋院様お成り、の4つの連作短編。天璋院様お成りで、綾さんの兄の消息が知れたというのにたいした展開にもならず、こうなるとこのお話はいったい何なのだろう?と思うほどの迷走ぶりが悲しく面白い。シリーズ6作目に篤姫様お成りというのがあって、それと対をなす楽しいタイトルなんだけどなぁ。2023/09/22
goodchoice
3
そこまでつかんだ兄の消息がまた遠くへ行く。人生とは無情の連続なのか。2023/11/05
さ〜くん
2
”謙譲の美徳も日本人の怠慢”考えさせられる深い内容でした。でも、綾のお人好し過ぎる人格のゆえに、誰からも愛され味方になってくれたからこそ兄の足取りに迫ることが出来たのだと思います。2023/12/10