内容説明
コーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」を営むお草は、朝の散歩の途中、
〈たすけて〉と書かれた一枚のメモを拾う。
折しもその日の夕方、紅雲中の女子生徒が行方不明に。
その後、家出と判明するが、では助けを求めているのは、いったい誰なのか?
日常に潜む社会のひずみを炙り出しつつ、読む人の背中を押してくれる人気シリーズ第9弾。
※この電子書籍は2021年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゴルフ72
29
正直前作より感動は無かった。確かに「たすけて」から「うけいれて」になり解決に向かったが・・・何か文章自体が分かりづらく・・・が今回の感想かな2022/11/30
まるぷー
28
お草さんが日課の朝の散歩中に「たすけて」と書かれた付箋紙を拾い、それが手掛かりに自宅で老女が倒れているのを発見。そして、そればかりか引きこもりの40代の息子と関わりを持つ。その親子の関係や引きこもりの原因を紐解いていく。更には中学生の家出やその中学校の厳格すぎる校長の話。教育理念に疑問を感じあり得んでしょと思ってしまった。久実と一ノ瀬との関係も微妙に不穏な感じになりかけたけど、幸せになってほしいと切に思う。他にも断水騒ぎなど気の休まるないお草さんだけど、紅雲町になくてはならない存在なんでしょう。2023/05/01
み
23
新刊棚にあったので、手に。このシリーズもうギブかなぁと感じてたのに。今作は、ほどほどのお節介でしょうか。次作は手を出さないかな?2022/11/26
はるま
21
大人気のシリーズの第9弾 購入して頂いた我が街図書館に感謝です(残念ながら最新刊の10巻は検討中とのことで)今回は、主人公の蔵書おばあちゃんが、倒れていた老女を救急車を呼んで助けることから。。なんとその家には同居する息子さんがいて、9年間も引きこもっていたのだ 草おばあちゃんはなんとか助けようと 「暗がりにとどまっていては呑み込まれる。きしむ心身をあえて動かし、別の場所へ、別の時間へと踏み出さなくては。(中略)「ともかく前へ歩くの。歩けると信じてね」〜引用 人生経験豊富な草さんの言葉に勇気づけられるね2023/03/13
nafko
18
道で拾った付箋メモに書かれた「たすけて」に、お草さんが動き出す。小さなSOSを見逃さない姿に、シリーズはじめの頃のエピソードを思い出した。久実ちゃんたちは、『雨降って地固まる』であってほしいと思う。どうか、お互いを大事にするあまり、身を引くことのないように。最新作の「薔薇色に染まる頃」は図書館予約中なので、順番が回ってくるのが待ち遠しい。2023/03/18