内容説明
これまで見えてこなかった家族介護者(ケアラー)の存在が浮かび上がっています。疾患や障害をもつ家族のケアを担うことで自身の生活や友人関係、学業、就職に影響が生じている子ども「ヤングケアラー」。適切な支援が得られないまま、本来なら大人が行うようなレベルのケアを続けていると、教育を受ける権利や子どもらしく健康に生きる権利が損われてしまいます。
ケアを行う子どもたちの存在にどう気づき、支えていけばよいか。本書では、ヤングケアラーの実態を知るための視点、成長した元当事者の声、支援体制づくりをめぐる昨今の動きをお伝えします。
目次
ヤングケアラーが表面化しにくいのはなぜか ―― 森田 久美子
私が在るために ―― 沖村 有希子
自分と家族の人生を問い続ける ―― 宮崎 成悟
私たち看護職が出会ったヤングケアラー ―― 青木 由美恵
ヤングケアラーを社会全体で支えよう ―― 堀越 栄子
Column どんなきもちもあって大丈夫 ―― 細尾 ちあき・北野 陽子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaz
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なかなか表面化しにくいヤングケアラーの問題を簡潔に紹介したブックレット。内容そのものは想定されるストーリーから外れるものではないが、子どもの成長機会の制約等、その問題は重い。周囲にいる大人が適切な制度に橋渡ししてあげることが大事なのだろう。図書館の内容紹介は『疾患や障害をもつ家族のケアを担い、自身の生活や学業等に影響が生じている子ども「ヤングケアラー」。彼らの存在にどう気づき、支えていけばよいか。ヤングケアラーの実態を知るための視点や支援体制づくりの動きなどを紹介』。 2022/01/06
saiikitogohu
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「子ども食堂や話す場、などは対症療法的で、ケアの負担が大きい子にとって、その場に行く時間を確保することは難しい。なので、「自分へのケア」「食事」「社会」をつなぐ取り組みとして、例えば自治体等から栄養認定された飲食店等で、好きなときに使えるチケットで食事ができる仕組みがあると、介護から離れて落ち着いた場所で質の良い食事がとれ、その体験自体が「学校」「家庭」以外の第三の居場所や息抜きの機会になるかもしれません」「ヘルパーが家族の家事をする条件を緩和し報酬も保証する」続2021/12/31