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内容説明
おとなって、勝手だ。
小さいころは
「ふたごが、おそろいを着てるとかわいいね」
なんて言ってたんだよ？
なのに最近は、
「男らしくしなさい」とか
「女の子なんだから気をつけて」とか。
いちいち、うちらに「らしく」しなさいって言うの。
「大きくなる」って
「フツウに合わせていく」ってことなのかな？
そんなの、息がつまっちゃいそうだよ!!!!
だから、うちらは――
双葉あかねと双葉かえでは、決めたんだ。
転校した学校で「あるチャレンジ」をしてみようって。
おとなの望むような
「やんちゃな男の子と、かわいらしい女の子のふたご」に
なってやろうじゃないって……！
――大注目の、第９回角川つばさ文庫小説賞〈金賞〉受賞作!!
セカイへ挑むみんなへ送る、応援ストーリーです！【小学中級から ★★】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
42
ジェンダーに興味がなかった。戸籍上の性別と逆だからといって、私は何も思わない。だから、当事者はこんなに苦しんでいたのだとは気づきもしませんでした。まさか児童書でジェンダーの人の苦しみを教えてもらえるとは驚きでした。「フツウ」ってなんでしょう。よく考えたら、私自身も男女での差を言葉にしたり、価値判断に使っていました。突き詰めるのが怖い。2023/01/06
たまきら
42
娘イチオシのお話です。そっくりな双子ちゃんのとりかえ話、というとロッテちゃんを思い出しますが、こちらはロッテちゃんとはまたちがった、けれども大切な問題を抱えてとりかえをします。二人は男女の双子なんですが、活発な女の子とスカートが好きな男の子で…。子供向けの本ですが、とても丁寧に自分らしくあることの大切さを訴えていて、読みごたえのある作品でした。続きも読みたい！2022/12/05
彩灯尋
15
性別が違う双子をうまく使っていたな…メッセージ性がとても強いので読書感想文なんかにも使える作品だと思う。普通とは何か、男らしい(女らしい)とはどういうことなのか。ジェンダーの事を考える機会が多くなっている今、もしそういうことで悩んでいる子どもがいたら学校や町の図書館等でこの本にたどり着けたらいいなと思う。2024/08/11
蜂賀三月
6
十分なエンタメがありながら、性役割への問題提起をしている。子どもにはもちろん、大人にも読んでほしい一冊。ありのままの自分でいたいその心は、誰も否定できない。ただ、それを阻むものは確実にある。理想だけではない現実の視点も入っていて、深い読後感を残した。2023/01/28
ソーシャ
5
双子の姉弟のあかりとかえでが転校を機に学校で自分の身体的性とは逆の性別として過ごすチャレンジをしてみたら、そのうち困ったことが出てきてしまい・・・というとりかへばや物語の設定に似たちょっと社会派の児童向け小説。善意でさらりと偏見の入ったことを言ってしまう大人たちや、入れ替わりで主人公たちの心理描写が印象的な作品ですが、エンターテイメントとしても上手くできていてキャラクターがかなり魅力的でした。読後感も良くて続刊も読みたくなってしまいますね。2022/09/25
