内容説明
いじわるをした、された経験は誰しもあるでしょう。“いじわる”を哲学的に分析した本書。種類別に分けてみたり、対処法を考えたり。人が人にいじわるをする理由とは?パスカルやスピノザたち歴代の哲学者が、“いじわる”をどう捉えていたかも教えてくれます。<シリーズ説明>子どもが初めてふれる哲学の本として編集された「10代の哲学さんぽ」シリーズ。哲学の本場フランスで誕生しました。自分の頭で考えることの大切さと面白さを伝えます。各巻ごとにテーマをかがげ、掘り下げていきます。本文では、ルソー、カントなどの哲学者の名言が各所で引用され、歴代の哲学者たちが各巻のテーマについてどう考えていたかを知ることができます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
chimako
90
なるほど。いじわるをする人はそういう人なんだ。上手く訳されていて分かりやすい。「人を憎んだり軽蔑したりする人たちのことを思い出してみよう。軽蔑したり、差別したりする人も、周囲の幸せは願っている。ただしその対象は、自分の仲間だけに限られていて、それ以外の人は苦しんでもかまわないし、そう感じることになんの疑問も抱かない」p78 ここを読んで『最初の質問』の一文を思い出した。「あたなにとって わたしたち とは、誰ですか」いじわるは自分を正当化するところにある。絵がシュールでハイレベル。難しくても読んで欲しい。2018/05/30
にこにこ
9
とてもいじわるな子がいて、かなり陰険な行動をしているので理由がわかるかも?と思って読んでみた。『教養や知性のなさよりも、知ることへのかたくなな拒否』ということで他人の痛みを知ることを拒否しているのかな?と思ってみたり。でも自分が恥をかかされたり不利益を被ることには敏感で抗議する。そういう自分をないがしろにされたことを『悲しい』と思うより『怒り』を感じる回路なんだろうなあ。イジワルはだれでもすることがありうるとして、相対的に陰険さが目立つということを思えば『知恵が回る』が『立ち回りが下手』と言えるかも。2019/02/10
遠い日
9
人がいじわるな行為をするとき、相手にネガティブな感情を持つ。そのさまざまな感情によって、いじわるの種類やしつこさが変わってくる。憎悪と軽蔑ではまたそのベクトルが違う。憎悪の方が相手に対する粘着が強いのだ。いじわるはある集団に属している者の、敵対者の発見、位置づけによる。自分はその集団で守られているから怖くないし、恐れることもない。いじわるは人が生きる限り、きっとなくならない。2017/01/26
a
2
誰でも危険をはらんでいる。2021/11/08
Saeko
1
読んでよかった、わたしがつらく当たられているのは、わたしのせいじゃない。2025/11/06




