内容説明
ムーミン一家に会いたくて。
ミムラねえさん、フィリフヨンカ、スナフキンら個性豊かな六人が、ムーミンやしきを訪れます。しかし会いたかったムーミン一家は家におらず、六人は勝手に、奇妙な共同生活をはじめます。
1964年に翻訳出版されてから、55年もの間愛され続けてきた「ムーミン」の物語。大人気のキャラクター「ムーミン」は、この全集が原典となっており、今なおその魅力は増すばかりです。
この度、今の時代により読みやすくするべく、改訂を行いました。
初めての方も、ムーミンのことなら何でもご存じの方も、楽しんでいただける[新版]として、順次刊行して参ります。
1現代的表現、言い回しに整え、読みやすくなりました
2さしえがクリアな美しい線で再現されます
3原語最終版に基づき、より細部にこだわった表現に
4フィンランド最新刊と共通のカバーデザイン
5四六判ソフトカバーでコンパクトに
こどもから大人も楽しめる、大注目のシリーズ、決定版です!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
83
ムーミン一家が誰も出てこない。個性的な面々がムーミン一家に会いたくて家を訪れるが、ムーミン一家は不在。きっと前作「ムーミンパパ海へいく」の裏返しの話。そこで奇妙な共同生活が始まる。それぞれ悩みを抱えていたはずなのだが、共に暮らすうちに解決していく。そして、自分の世界に帰っていく。ムーミンたちに会えない寂しさに溢れているのに、皆んなでパーティしたり楽しげでもある。それぞれの個性を大切に生きていくことの素晴らしさを描きつつ、「物語」の虚構と現実を描いているようだ。これにて、「新版ムーミン全集」全9巻完読。2022/01/28
おっとっとっ
66
ムーミンシリーズ最終話の「ムーミン谷の十一月」個人的にムーミンシリーズで一番好きな話 「ムーミンパパ海へ行く」と同時進行で話がされているのがとても良かったです 唯一ムーミン一家が出てこない話で、出会ったことのない登場人物たちがムーミン屋敷で共同生活を送っていく。 心が温かくなる本です(^^)2022/12/19
❁Lei❁
27
曲のフレーズを探すスナフキンや大好きな掃除ができなくなってしまったフィリフヨンカなどの六人がムーミン谷を訪ねるのですが、一家は留守で、奇妙な共同生活が始まります。それぞれの個性がひとつの家の下でぶつかり合い、危うくも楽しげな不思議な空気感が満ちています。ごちゃごちゃともので溢れかえった中から、自分が求めているもの、したくてたまらないことを見失ってしまうことは往々にしてあるでしょう。そんなときは一度きれいさっぱり掃除すれば、自分が本当に大切にしたいものを見つけ出せるかもしれません。2021/10/19
棕櫚木庵
23
“最後のムーミン小説で,ムーミン一家は登場せず,ムーミン屋敷にやってきた登場人物たちがムーミン一家の帰りを待つ物語”という評(『トーベ・ヤンソン』カルヤライネン, 河出書房, 2014, p.292ff)に興味を惹かれ借りてみた.でも,なんだかよく分からなかった.登場人物たちの心理・気持ちの移り変わりを追いかけかねた.寓意を読み取りたくなるような話だけど,多分,そういう読み方をする物語ではない(のかな?).→2023/03/23
みや
22
旅に出て不在のムーミン一家に会いたくて来訪した6名が共同生活する。シリーズ最終巻にムーミンが出てこなくて驚き。でもこれは新しい物語が紡がれなくなった後も、ムーミンを愛する読者たちが強く生きるための道しるべを示しているのかもしれない。過度な崇拝は自由を奪うものだから。程度や理由は違えどムーミン一家に依存心を持つ6名の個性は強烈だが「こういう人いるよね」と思わせる言動が要所要所にあり、痛々しくも楽しい。第三者が舵を取る船は酔いやすいが自ら舵を取ると酔わない、というスナフキンとヘムレンの話が分かりやすくて好き。2023/05/09
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