内容説明
見えるものだけが、すべてじゃない。
ムーミントロールは、冬眠中に、たった一人で起きてしまいました。まったく知らない世界が広がっていて、しかもだれひとり心を開いてくれないことに落ち込みますが……?
うつくしい冬の情景、おしゃまさんの含蓄ある言葉、ムーミントロールの心の変化など、名作と評される1冊です。
1964年に翻訳出版されてから、55年もの間愛され続けてきた「ムーミン」の物語。大人気のキャラクター「ムーミン」は、この全集が原典となっており、今なおその魅力は増すばかりです。
この度、今の時代により読みやすくするべく、改訂を行いました。
初めての方も、ムーミンのことなら何でもご存じの方も、楽しんでいただける[新版]として、順次刊行して参ります。
1現代的な表現、言い回しに整え、読みやすく
2クリアなさし絵に全点さしかえ
3原語最終版に基づき、より細部にこだわった表現に
4フィンランド最新刊と共通のカバーデザイン
こどもから大人も楽しめる、大注目のシリーズです!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
83
ムーミンたちが冬眠している冬に、一人だけ目覚めてしまうムーミントロール。日もほとんどささない暗く寒い冬。宇宙船の中で冬眠から目覚めてしまう「パッセンジャー」という映画を思い出してしまうが、ムーミンは、その大変な冬さえ楽しんでしまう。いつもだと出会うことのないキャラクターたちと出会い、見ることのない風景を見る。この巻にもこんなセリフがあった。「どんなことでも、自分で見つけださなきゃいけないものよ。そうして自分ひとりで、それを乗りこえるんだわ。」北欧の冬の厳しさと、それを乗り越える強さを感じた。2022/01/16
ままこ
76
冬眠中にたったひとり目が覚めたムーミントロール。出会うのは不思議で変わったものたちばかり。ぶつぶつ文句言いながらも彼らを尊重して、無理強いはしないところがいいな。リトルミイとミムラ姉さん、あれの中で冬眠とはびっくり。極夜ってあんな感じなんだ。ハプニングいっぱいの暗く長い冬を経験し、冬ならではの楽しさと自分で考えることの大切さを知った。春になり目覚めたムーミンママの対応が素敵。初めて読んだけど思った以上に奥深い世界で、ラスト数行の情景が浮かび上がるシーンも好き。独特の個性あふれるムーミンワールドを楽しめた。2023/12/03
あたびー
43
護国寺読書会K社のとなり「春を待つ」のために再読。再読と言っても何十年ぶり。太陽の登らない北欧の厳しい冬、冬眠中のムーミンは何故かひとりだけ目を覚ましてしまいます。寂しくてたまらないムーミンは外に出て今まで知らなかった冬のムーミン谷を探検します。トーヴェ・ヤンソンのパートナーのトゥーリッキをモデルにしたトゥーティッキ、押し付けがましくてうるさいヘムレンなどとの新しい出会いも。そして自分の力で冬を乗り越えて春を迎えたムーミンは、ぐっと成長して、春に目を覚ました家族を迎えるのです。2022/03/15
syota
37
太陽が昇らず雪と氷に閉ざされるフィンランドの厳しい冬。極寒と闇を恐れる人々の想いは、トペリウスの童話で強く印象に残っている。そのため、読友の方のレビューで冬眠中に目を覚ましてしまったムーミンの話を知り、早速読んでみた。凍りつくような冬の厳しさと美しさ。冬にしか出てこない不思議な生き物たち。春の先触れである恐ろしい嵐と海氷の割れる轟音。その中でムーミンは、持ち前の優しさで冬の生き物たちと心を通わせ、一回り成長して春を迎えることができた。冬の厳しさを描きつつ、前向きな物語になっていて好印象。2024/09/28
❁Lei❁
30
冬眠中のムーミンが目を覚ましてしまい、暗くて冷たい北欧の銀世界を体験するお話。淡白だけれど思いやりのあるトゥーティッキと明るい季節には居場所のないものたちの関係性に、こたつの中にいるような温かみを感じてホッとしました。またスキー好きなヘムレンさんは陽気すぎて鬱陶しい面もありましたが、根っからの正直者で優しいところが憎めません。小さい体で大きな勇気を持つサロメちゃんも魅力的です。彼らとときにはぶつかりつつも協力し合い、ムーミンは厳しい季節を乗り越えます。冬も楽しいけれど、やっぱり春が恋しいなと思いました。2021/12/19
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