講談社文庫<br> アンの娘リラ

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講談社文庫
アンの娘リラ

  • ISBN:9784062752534

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内容説明

愛のために生き続けてほしい。胸が痛い、いくさの悲しみ――アンの子どもたちは成長し、末娘のリラだけを残してグレンの村を離れ、進学することになった。しかし、世界大戦が始まり、<炉辺荘>と牧師館の「男の子」たちは、ヨーロッパ西部戦線へつぎつぎに出征していく。リラの日記とともに、母親と少女たちの止むことのない不安と悲しみが綴られる。講談社だけの完訳版「赤毛のアン」シリーズ、全10巻の8

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

北風

16
この作中の時代とアンの年齢なら孫がいてもおかしくない年代。なのに戦争がそうはさせなかった。アンの末娘が主人公の今作、マウント女子のアイリーンに謝りに行く下りは、かつてアンがお隣のおばさんに謝罪に行くシーンを彷彿とさせます。アンは悲劇のヒロインを演じていたのにリラは堂々と勇敢な少女でした。アンの大事な息子たちが次々と戦争に行くシーンは涙を禁じ得ません。出番の少ないシャーリーが出征するシーンはなぜか1番込み上げてくるものがありました。最後のオチも決まって、リラも幸せになれそうでよかった。ウォールターもきっと…2020/11/11

アルプスの空♪

13
戦争によるアンの生活を娘リラが語る600ページという章です。ジェムや若者が戦争に行き、残された者たちの複雑な心情や離れ離れになった家族の悲哀を描いています。最後は戦争がひとまず終結して、カナダ版、忠犬ハチ公のマンデーが待つジェムが リラのケンが帰ってくるという・・・感動の涙とそして”つぼ”を押さえた笑いで幕を閉じるという、心憎い終わり方でした。2010/08/24

Kaholly

8
「新しい日が、窓をたたいているわ。新しい日はどんなものを、わたしたちにもってきてくれるのかしら」本書44ページ、リラの言葉より。赤毛のアンシリーズ第8作目、物語はブライス家の末っ子リラの目を通して描かれる。世界大戦という大波が若者たちの人生を阻む。息子を差し出さなくてはならない、やるせなさ、悲しさ、これまでの幸せな日々が一層引き立つ一冊になっている。悲しくて涙しそうになる場面も多々あり。個人的には、イギリス連邦に所属するカナダという国を通した戦争の描かれ方が新鮮でもあった。2015/07/05

ちょっちょ

5
世界大戦に参戦したカナダとカナダの人々が、アンの末娘リラの目を通して描かれている。もっとも力強く、もっとも辛い章。アン・シリーズに入れない出版社もあるようだが、私もそちらに賛成だ。戦時中の若者の心を真正面から描き胸にひびく小説だが、それはそれ、これはこれかなと。2013/07/29

ゆり

5
何年かぶりの再読。平和で少し退屈だったくらいのリラたちの日常が、戦争の波に一気にさらわれて、長い苦しみの生活に変わってしまった様が、今読んでいるとすごくリアルで胸に来ました……。それでいてちゃんとアンの末娘リラの成長と恋のものがたりとしても面白い。殺伐とした生活の中で、アンとギルバートの平和なアボンリー時代のロマンスの思い出話とかなんだか和んで良かったです。ああ、それにしてもユナの秘めた恋の結末が切ない……。お気に入りのキャラなので、しょんぼりです。あと、スーザンが本当に偉大ですね。色々と(笑)。2012/09/09

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