内容説明
奇想天外な悪戯を企む悪童4人が、寄宿舎・青雲寮の屋根裏に「天国荘」と名付けた遊び部屋を作った。彼らはそこを参謀本部と呼び、教師いじめのさまざまなアイデアを練る。最初の標的は数学の教師で、その名も糞便攻撃なる途方もない作戦だった(表題作)。度肝を抜く着想と空想力、大胆不敵な悪戯を奔放に描く、ユーモアと皮肉のきいた青春小説。他6篇収録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きょちょ
18
「青年探偵団」は連作6篇。 犯罪あり、推理あり、いたずらあり、ユーモアあり、そしてベタな青春小説よりはるかに青春小説であるところが楽しく読めるところ。 他の短篇では、「賭博学体系」「極悪人」「大無法人」「ダニ図鑑」が面白い。 それぞれ一ひねりくわえられている。 特に好きなのは「極悪人」で、登場人物たちに感情移入できる。 「ダニ図鑑」は久々にブラックユーモアを読んだ感じで、今後いろいろな作家のブラックユーモアも読みたくなった。 ★★★★2016/09/05
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
15
最初の話で、やたらとウンコが出て来るので、ユーモア=ウンコ?延々と、この手の下ネタだったらツライな……と思いながら読んでいったら、ウンコ系は一話だけでした。ユーモア篇となっているだけあって、コミカル……でいながら、時々、ぎょっとさせられたり。ラスト『青春探偵団』の男女6人組の活躍が楽しい。2015/07/30
AQUA@リアリスフィア・たたみ@回文師
3
ユーモアのタイトル通り、コミカルな話多めの短編集。高校生主人公に殺人はやはり似合わない? とはいえ、うんこ連呼のあの話はさすがにヒドイw ラストの男女混合連作は面白かった。2014/04/19
tekesuta
3
「天国荘奇譚」は山田風太郎の中学時代がモデルになっている。寄宿舎の屋根裏に秘密の部屋を作ったり、夜中に寮を抜け出したりというのは著者の体験を元にしているとのこと。もっとも「黄金仮面」までモデルがあったらちょいとやりすぎではありますが、流石にそれはないだろうと信じたい(笑)2010/02/14
猫之助
3
面白かったです。 物凄く毒のあるブラックユーモアが癖になりそう。 個人的に表題作の「天国荘奇譚」と「青春探偵団」が、「こんなにうまくいくかよ!」と思うくらいの大胆な話の展開に、学生の弾けるような力と無鉄砲さとバカバカしさがあって、とても気持ちよくて好きです。 2009/10/27