内容説明
ある夜、大富豪織部家の長男・弓太郎少年は、財産を狙う3人の悪党によって顔に奇怪な手術をされてしまった。そして遠くの島に流された。そこで出会った少女とともに、老手品師に育てられ成長する。7年後、15歳になった少年は、生まれ故郷にやってきたが……(表題作)。幅広いジャンルの作品を持つ著者が、少年・少女のために描いた異色の名作15編を収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きょちょ
21
少年向けの作品群。 「笑う肉仮面」は、昭和33年に刊行され、その後再刊されず、近年20万円くらいで古書が売られていたそうだ。 そんな作品を今普通に読めるのは幸せなことだ。 この「笑う肉仮面」は、少年向けとしては、乱歩の「少年探偵団」に近づく優れものの活劇。 他の作品も大人も満足させうるものが多いし、忍法帖や大人向け推理小説につながっていくものも見受けられ、ファンとしては楽しめる。 ★★★2016/12/07
猫愚者
3
意外、子供向けも書いていたとは...。乱歩の感じと似ているなんだか懐かしい読者諸君への語り。ドキドキハラハラの展開に勧善懲悪のお約束、これが結構楽しめた。安心して読める、一種の癒しかも。2022/02/13
浅木原
2
昭和20年代から30年代前半の少年もの集成ってことで、大昔の今とは文法の違う少年漫画のような読み心地。ジュヴナイル冒険ものに全く心惹かれないタチなので、全体的にはあまり好みではないけど、「水葬館の魔術」「冬眠人間(中学時代二年生版)」「笑う肉仮面」あたりは好きかな。2015/11/11
kanamori
1
☆☆★2010/10/22
KBS
1
作者らしい要素を作品内にきっちりと入れつつもストーリーは少年小説してるのが凄い。2011/08/04