光文社文庫<br> 夜よりほかに聴くものもなし - サスペンス篇

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光文社文庫
夜よりほかに聴くものもなし - サスペンス篇

  • 著者名:山田風太郎
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 光文社(2014/01発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334731571
  • NDC分類:913.6

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内容説明

「それでも……おれは手錠をかけねばならん」──ベテラン刑事の八坂は、犯罪者のやりきれない事情に理解を示しながらも、犯人に手錠をかける。人間の裏表、抵抗と復讐、犯罪者の心理を描く10話(表題作)。千変万化する話の手練手管は、技巧が技巧で終わらぬ厚みがあり、読者を虜にする。まさに風太郎ミステリーの真骨頂! 10話からなる表題作を含め、全13篇収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

出世八五郎

17
表題作はポール・ヴェルレーヌの詩「からす麦、しげった中の立ちばなし、夜よりほかに聴くものもなし」から。表題作他に12の短編が収録。昭和30年代辺りに発表されたものばかりで、どれも面白いが何故か内容は忘れる。ひとつ上げれば【動機】が◎。【吹雪心中】も良かったが、どの作品も落ちには苦労してそうだ。表題作は犯行動機がメインに描かれた連作短編もの。社会批判や人間批判など、デメリットを省みない犯行動機に山田風太郎らしさがある。2001年初版を積んだまま、21年後に読み終えることが出来た。2022/02/19

きょちょ

15
表題作は連作10篇。 これは再読。 今読んでもとても面白い! すべての犯罪が同情に値する。 最後の刑事の言葉は、鮮明に私の記憶に残っていた。 「鬼さんこちら」「飛ばない風船」「知らない顔」「動機」は、昔TVでやっていた「ヒッチコック劇場」を観ているようだった。 「吹雪心中」は異色作、短期間で変容していく人間の「心」が面白い。 「環」は悲しいけれど、どことなくユーモアがある作品。 「寝台物語」は幻想的な感じが好き。 ★★★★2016/01/27

ペペロニ

14
随分前に一度読んでから久しぶりの再読。動機、ホワイダニットが中心のミステリ短編集。山田風太郎の人間を見つめる冷めた目が発揮された作品集。時代が少し古いけど、十分楽しめた。「目撃者」の後味の悪さというか訳のわからなさが怖い。「動機」は小説でこそ出来る引っ張り方で強烈なラストを迎える良作。2017/10/26

有理数

10
八坂刑事の活躍する短編連作『夜よりほかに聴くものもなし』を中心とした傑作選のサスペンス編。表題作以外では、少年と女性、そして先生の三人による手記と告白の謎に迫る「不死鳥」、滑稽でありながら秀逸な帰着が面白い「とんずら」「飛ばない風船」がお気に入り。しかし、やはり表題作は出色の出来。人間が人間を殺すということ、人間が人間を裁くということ、そんな人間社会における犯罪の闇をこれでもかと描き切った傑作である。相対する刑事と犯人の会話劇をここまで心打たれる物語に構築する作者の手腕に脱帽。さすがと言う他ない。2013/10/30

栗かぼちゃ

9
どのお話も長くはないのにきちんと落ちが付いてて面白かった。全体的に読み終えた時にやるせない気持ちになる話ばかりだったから結構ダメージ受けちゃった。『世間様に申し訳ないと言え!』2022/07/25

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