内容説明
香保を妻に娶り、松江藩の藩医となり、新たな一歩を踏み出した宇津木新吾。松江藩三羽烏とうたわれる若武者がいずれも黴毒を病んでいることに不審を抱いて治療を勧めていたが、そのうちのひとりが殺されてしまった。経緯を探っていくと、思わぬ事態が! 好評シリーズ第七弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
91
蘭方医・宇津木新吾7作目 2018.03発行。字の大きさは…中。香保は、新吾と新居の離れで暮らしています。祝言は、どうなったのか楽しみにしていたのに残念。娘が結婚式もしなくて一緒になったような気持ちです。香保の話も少なくなっている、ガッカリです。新吾は、梅毒に罹った松江藩士3人を診る。その3人が次々に殺されて行きます。松江藩士3人は、料亭で女中のおのぶを手込めにすると、おのぶは、首をくくって死に、夫・純吉は敵を討つ。それと関連するのか松江藩士が新吾を襲う。次回、松江藩主・嘉明公はどう動くか楽しみです。2019/10/02
とし
69
蘭方医 宇津木新吾「売笑」7巻。香保を娶り松江藩多岐川家のお抱え医師となった新吾さん、前藩主の謎死それで職を辞した玄宗、下級武士の不可解な死、高野長英、間宮林蔵が登場し最後は新吾の助をしてくれた小助が下級武士を殺害した犯人だったりと、めまぐるしく変わる展開に少し戸惑いました。2019/12/30
ベルるるる
23
新吾はなぜ松江藩から声がかかったのか、藩主にも何やら思惑がありそうだけど、その理由は明らかにはされない。師である幻宗の謎も、未だ謎のまま。新吾を取り巻く大きな謎はそのままで、読者は、松江藩の下級武士3人が意図的に梅毒をうつされ、殺されていく事件を新吾が解決するのを読む事になる。犯人である小助も、小助を手助けする手鞠も、どちらも可哀そうで、読んでて辛かった。2018/08/10
ひさか
17
2018年3月双葉文庫刊。書き下ろし。シリーズ7作目。香保さんが新吾の妻になってる。話が飛んだような気がする。松江藩の江戸屋敷に務める武士達の殺人事件に関わって行く新吾の活躍が話の中心だった。新吾の「知りたい」は病気のようなものです。2023/03/19
真理そら
14
やっと結婚できた新吾と香保なのに「初々しい新妻ぶり」の一言で済ますなんて…。新吾は松江藩のお抱え医師としての仕事を始めるが、やや居心地は悪そうだ。誰の薦めで藩医になったのかという謎は解けたけれど、すっきりしないものは残っている。それにしても復讐の方法が怖すぎる。女にだらしないから自業自得かもしれないけど。今回、新吾は蘭方医として縫合の技術をマスターした、医師としてすこしずつ成長していく姿も描いてくれるのが嬉しい。2018/03/17