講談社学術文庫<br> 天皇の歴史4 天皇と中世の武家

個数:1
紙書籍版価格
¥1,331
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

講談社学術文庫
天皇の歴史4 天皇と中世の武家

  • 著者名:河内祥輔【著】/新田一郎【著】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 講談社(2018/03発売)
  • 3月の締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~3/31)
  • ポイント 360pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062924849

ファイル: /

内容説明

12世紀末、日本史上初めての本格的な内戦、治承・寿永の内乱の結果、新しい武士の政治組織、鎌倉幕府が誕生。政治体制は、それまでの朝廷の単独支配から、明治維新まで続く朝廷・幕府体制へと大きく変化する。父子一系の皇統をめぐる朝廷の動揺と、朝廷再建を図る源頼朝、後醍醐天皇、足利義満の構想など、朝廷・幕府体制の展開を探りながら、古典を鑑として秩序を求めた人々の営為を明らかにする。

目次

第一部 鎌倉幕府と天皇   河内祥輔
学術文庫版へのまえがき
はじめに
第一章 平安時代の朝廷とその動揺
1 再建される朝廷
2 院政と摂関
3 動揺のはじまり
4 平治の乱から後白河院政へ
第二章 朝廷・幕府体制の成立
1 治承三年の政変
2 寺院大衆の「アジール」運動
3 頼朝勢力の出現
4 頼朝勢力の勝利
5 幕府への転生
第三章 後鳥羽院政と承久の乱
1 後鳥羽天皇の治世
2 承久の乱の勃発
3 幕府の勝利
4 幕府の朝廷再建運動
第四章 鎌倉時代中・後期の朝廷・幕府体制
1 承久の乱後の朝廷
2 幕府の対朝廷政策
3 後嵯峨天皇の時代
4 皇統分裂問題と幕府の倒壊
第二部 「古典」としての天皇   新田一郎
第一章 朝廷の再建と南北朝の争い
1 朝廷の再建と「室町幕府」の成立
2 古典の再発見
3 幻の内裏空間
4 南朝代々
第二章 足利義満の宮廷
1 公家としての義満
2 武家の位置づけ
3 南朝の接収
4 日本国王と天皇
第三章 「天皇家」の成立
1 足利義満の遺産
2 後南朝の影
3 伏見宮家の成立
4 権威の構造
第四章 古典を鑑とした世界
1 家業の変質
2 公事体制の解体
3 公家の在国
4 古典の流布と卑俗化
終章 近世国家への展望
1 繰り返される再生
2 カミの末裔
学術文庫版へのあとがき
参考文献
年 表
天皇系図
索 引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

レアル

41
鎌倉幕府が如何にして成立し、如何にして滅んだか。この巻からは武士というこれまで存在しなかった職業が登場。その武家の登場により天皇の在り方が変化する事となる。前巻までは内裏に引っ込んだとはいえ天皇が実務的に実権を握っていたにも拘わらず、武士登場で実務上の実権からも遠のくことに。そんな経緯と著者の考察がここに描かれてる。とはいえ、この当時の天皇はまだまだ天皇ご自身の意思表示が可能な時代。天皇と武士という新しい関係がまた新たな火種にもなる。それは次の巻の物語。2021/12/02

nagoyan

17
優。河内祥輔(第一部「鎌倉幕府と天皇」)と新田一郎(第二部「「古典」としての天皇」)。第一部は、鎌倉幕府の成立・存続を朝廷再建運動(朝廷再建運動とは、平安時代以来、当初は摂関家、その後、中級貴族、更に武士清盛、頼朝が、貴族社会の同意の下、皇統の分裂・不安定な状況を「正統」(しょうとう)の下、再建する(と見られた)運動)の観点から説明。第二部は、公家社会にコミットし武家以上の権威と権能を集中した北山殿義満の後を受けた、義持・斯波義将が、武家たる「室町殿」に回帰した結果、北山殿の一部を天皇家が継承と説く。 2022/06/03

chang_ume

6
父子一系の皇統譜「正統」(しょうとう)をめぐる古代中世史。庶流も含む近代的な天皇観「万世一系」とは異なる、前近代ならではの天皇観を摘出成功しています。これによって例えば、「皇太弟」冊立が天皇家嫡流すなわち「正統」の移動を意味することも明らかになりました。同時に「正統」と庶流の区別は「正統」争奪などの王権危機を招来、「武家」を担い手とする「朝廷再建運動」を繰り返すことに。天皇と武家による補完的な協同支配「朝廷・幕府体制」だからこそ、後の幕藩制崩壊がそのまま朝廷の解体消滅に帰結したとの見立ては鮮やかです。2018/03/30

ikeikeikea

2
今までのシリーズと違い前半と後半で著者が違う一冊。特に前半は評価が真っ二つに分かれそうだ。河内祥輔の独自説のオンパレードでそのワールドについてイケるかどうかが評価の分かれ目だ。ちなみに私はついていけなかった。院政から戦国時代までが描かれるので扱う範囲が広すぎる。なのである程度の前提知識か必要不可欠だろう。2018/07/24

なの。

1
赤い教授陣に辟易させられた我が大学の中で、唯一目を開かされた先生だった。2018/04/26

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12699011
  • ご注意事項