講談社学術文庫<br> 天皇の歴史9 天皇と宗教

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講談社学術文庫
天皇の歴史9 天皇と宗教

  • ISBN:9784065126714

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内容説明

大和王権の大王祭祀、皇祖神を祀る伊勢神宮や大嘗祭の起源を究明。古代律令制による神祇制度の変遷を辿り、宮中祭祀の諸相を解説。鎮護国家と天皇護持の役割を担った仏教はどのように受容されたのか。皇室における神祇信仰と仏教信仰の関係を究明。大日如来と一体化する即位灌頂を行った中近世から、明治維新による変貌、国体と結びついた戦前・戦中、そして敗戦で象徴とされるまで、天皇の核心を追及する。

目次

第一部 「敬神」と「信心」と
国家装置としての祭祀
鎮護国家と玉体安穏
「神事優先」と「神仏隔離」の倫理
天皇の倫理――象徴天皇制の原像
神武天皇の末孫として
第二部 宗教と向き合って
祭政一致の名のもとに
宗教のめぐみ
天皇家の宗教
国体の時代
天皇制の果実

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かんがく

16
天皇と宗教という、日本史の核心的な部分をテーマとする。前半の前近代と後半の近代でそれぞれ専門の著者が担当しており、歴代の天皇が神道、仏教などとどのようにかかわってきたかの変遷がよくわかる。近代以降の皇室の仏教やキリスト教との関わりなど、面白く読んだ。2020/05/04

さとうしん

10
天皇と大嘗祭などの祭祀、(主に仏教の)信仰、葬儀などを、前近代と近現代の二部構成で、古代から平成の世まで通覧する。神道のような信仰や神仏習合は日本独自のものと言えるか、宗教とされなかった神道、神仏分離で果たして皇室・皇族は仏教と切り離されたか、そして文庫版あとがきに見える明仁天皇と宮中祭祀の問題など、面白い論点が多く盛り込まれている。2018/09/14

maqiso

5
大王の神事が祭祀として整えられ、律令では全国的な制度になったが畿外への効力は限定的だった。仏教は護国を担うようになり、天皇の即位時には密教の儀礼お行われた。国学と水戸学は反仏教的な天皇を理想とし、維新直後は復古や祭政一致がうたわれたが、藩閥政治家から否定され宮中では仏教の信仰が続いた。欧米のキリスト教中心の宗教観は当時の日本人にはなじめず、宗教を軸としない立憲制が選択されたが、国体明徴という問題が生まれた。昭和天皇は自らを国体として行動し、平成天皇は象徴としての天皇を追究した。2022/03/31

めっかち

3
前半の小倉慈司氏の執筆部分は門外漢なので、よくわからないが、天皇と仏教の関係性の深さが解った。で、山口輝臣先生による後半。滅茶苦茶面白かった。「天皇教」とか「国家神道」というタームで近代日本を説明したがる人が多い中、丁寧に政教関係を論じている。他にも「神社非宗教論は自衛隊は軍でない論と同じ」とか「天皇制は国体の後継者」とか「尊皇論者は時に迷惑なサポーター(現在はファン)」というのも興味深い。あと知らなかったのは、今でも皇室と仏教って結構縁があるのね。とまぁ、特に山口さんの部分だが、私にとっては良書だった!2023/01/03

rk_13222

0
ふむふむ2020/08/12

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