新潮文庫<br> 剣客商売十三 波紋

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新潮文庫
剣客商売十三 波紋

  • 著者名:池波正太郎【著】
  • 価格 ¥616(本体¥560)
  • 新潮社(2016/10発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101157436

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内容説明

小兵衛の剣友を見舞った帰途、大治郎の頭上を一条の矢が疾った。心当たりはなかったが、これも剣客商売ゆえの宿命か。「お前が家を出るときから見張られていたのではないか」小兵衛の一言で大治郎は、次の襲撃を呼び寄せるように、下帯ひとつの裸身で泰然と水浴びをはじめた――「波紋」。旧友内山文太を想う小兵衛の心情を描き格別の余韻を残す「夕紅大川橋」など全5編。第13弾。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

150
この巻では、5つの話が収められています。ほかの短編集のはなしよりも大分過去の経緯などがあってはなしの方向性が込み入っている感じがしました。また主人公も年をとってきたせいか若干きむずかしい感じが出てきたように思えます。あと数冊でこれも終わりとなると淋しい気もします。2017/09/11

KAZOO

96
5つの短編が収められていて小兵衛の気持ちをかなり克明に書いているように感じました。「波紋」では息子の大治郎が暗殺されそうになりますが、当然のことながら相手を倒します。ここで繁蔵という人物が小兵衛に認められて手に職を持たせるようにします。人情深さが出ています。また「夕紅大川橋」では長年の友人が自分の孫娘を見付け出しますが、その後急逝してしまい、小兵衛の気持ちがどうにもならない、という様子が描かれています。2023/11/05

ken_sakura

66
快調。変わらず面白い。五編の短編集。「消えた女」小兵衛の昔の女に纏わるお話。山椒の葉をかけた烏賊と浅蜊飯。「波紋」大治郎が旧知の剣客を見舞った帰りに襲われる、その顛末。木ノ芽味噌をかけた豆腐。「剣士変貌」小兵衛行き着けの菓子屋の後妻話で始まる物語。蕎麦に卵黄を混ぜてつゆにつけて食べる。「敵」小兵衛大治郎に親しいちょっと訳有りな剣客が頼まれて人を棍棒でぶん殴って大事に。沙魚(はぜ)を酒と生醤油でさっと煮付けたもの。独活の塩もみ。「夕紅大川橋」小兵衛と老友の永遠の別れ。その最後の交わり。鮗(このしろ)の粟漬け2018/08/04

s-kozy

56
これまでのスッキリと読めた短編と異なり、複雑に絡み合った話が五編集まったシリーズの第十三弾。折々の季節の推移や人々のちょっとした動きの描写は変わらずあり、これまでと同じように楽しめる。「夕紅大川橋」で見せた小兵衛の意外な程の狼狽ぶりが印象に残る。如何なる達人にとっても人生の晩年を悠々と仕舞うことは難しいことなのだろうか。2012/10/16

只三郎

55
剣客商売シリーズ、第13巻。短編5編の話しが収録されています。善き人が変貌し人生を転落していく様を描いた『剣士変貌』は特に印象に残った作品です。周りの環境が変わった時、自分は変わってしまうのか、それとも変わらずにいられるのかと考えさせてくれた作品でした。2016/10/14

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