内容説明
越後、新発田の剣客・神谷弥十郎の道場で下女として働いていたお福は、主人が暗殺されたため、下男の五平と一緒に江戸へ出る。が、新しい主人の御家人・三浦平四郎も、そして五平も、神谷を殺した無頼浪人の凶刃に倒れる。三浦に手裏剣の手ほどきを受けていたお福は、三浦の碁敵・秋山小兵衛の助太刀をえて、見事、仇を討ち果たす。数奇な運命を背負った女の波瀾にとんだ成長の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
132
再読で、しかも最近コミック版を読んだばかりなのですが、やはり池波先生の文章をじっくり読むのもおもむきがあっていいものです。イメージという面ではコミック版に若干及ばないところもありますが、このような若い女性が主人公の人間の感情や機微などについてはこちらのほうが印象が強いと感じました。いい作品で成長小説です。2017/09/27
優希
105
面白かったです。今作はお福という女性が主人公。関わる人たちが暗殺されたり、倒れたりすることで、仇討ちを決意するとことが恰好良いです。池波さんの描く女性は強くて逞しいなと思わずにはいられませんでした。本編で出てきた人物たちも脇でお福を支えているのを見つけると思わずニンマリ。数奇な運命と波乱に富んだ成長物語を楽しみました。2017/07/31
ken_sakura
58
とても良かった(≧∇≦)すっと物語に引き込まれている自分に気付く。いつ斬られたのかわからない著者の達人振りが嬉しい剣客商売番外編ヽ(´▽`)/主人公はお福。越後新発田、両親を失い、剣客神谷弥十郎の下女として働く16歳から始まり江戸で生きる一代記。著者の一翼「人は悪いことをしながら善いこともする」人の二面、他人の分からなさの中をお福を始め登場人物の有り様、関わり様がとても良かった。陰のある明るめな物語という印象。解説より、剣客商売だけでなく鬼平犯科帳、仕掛人藤枝梅安のなじみも出てきているとのこと(^_^)2019/02/02
saga
52
波乱万丈のお福の人生だ。初めは奉公先の主人・神谷に凌辱され、恨みしか抱かなかったはずの神谷が何者かに殺されたところから、物語は大きく展開し舞台を江戸に移す。お福の急成長は、終盤で水茶屋の女主人となるところで、これまでの苦労と引き換えの結果として自分の胸にすとんと落ちた。お福の仇討に助太刀した小兵衛が、お福にとどめを刺させなかったことに感動した。これが他の時代劇であれば、とどめを刺させて目出度しで終わらせるのだろう。人にはその後の人生があり、人を殺めた過去を背負わせるようなことをさせない筆者の愛情を感じる。2014/10/13
Makoto Yamamoto
50
再読。剣客商売・番外編 16歳の少女お福の成長・苦労を描いた番外編。 秋山小兵衛は要所に出てきて美味しい役割を果たし、本編でも重要な役どころの小川宗哲、弥七、徳次郎も登場する。 お福と関係する人達が一人の浪人に殺害される。 奉公時に学んだ手裏剣を手放さず、復讐を誓う。 池波作品に登場する軍鶏なべの五鉄、料亭不二楼も登場し満足。これで、最終巻「浮沈」と番外編?料理本?「剣客商売 包丁ごよみ」を残すのみ。2021/09/26
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