内容説明
その試合「負けてやれ」。秋山大治郎が義父・田沼意次から一刀流の道場を構える谷鎌之助との試合を命じられた経緯を報告すると、小兵衛は即座にそういった。鎌之助はその試合に仕官がかかっていたのである。勝負を前にして苦悩する大治郎には、まもなく初めての子が授かろうとしていた……。初孫・小太郎の命名をめぐる小兵衛の意外な一面など面白さがいよいよ冴えるシリーズ第11弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
154
11冊目は、短編が7つ収められています。主人公の初孫誕生に伴いその命名をどうするか、ということや、むかしの道場の弟子を自分の手で始末してやりきれなさに悩む姿などが印象に残ります。また小兵衛としては珍しいことに息子の大二郎に剣の試合で負けてやってくれと頼む話など、いつもながら人情味のあるものも多く楽しめました。2023/10/20
yoshida
108
剣客商売シリーズ第11弾。大治郎と三冬に子が生まれる。小兵衛の初孫でもあり小太郎と命名される。シリーズを読んでいて実に感慨深い。かつての小兵衛の弟子が現れる。事件を起こした弟子を自身の手で始末をつける小兵衛。かつての弟子の姿に他に方法はなかったか、想いにふける小兵衛。最終話で小兵衛の別の弟子が悪事の依頼を受ける。その事件での小兵衛の処し方に、小兵衛の想いがある。作品を通じて小兵衛が老いたと言う描写が目にとまる。剣の腕が落ちた訳でもない。病を得たのでもない。だが人はいつか老いる。一抹の寂しさを感じつつ読了。2022/01/23
優希
107
タイトルが『勝負』なので緊張感を連想させますが、全体的にあたたかみのある雰囲気が漂っていました。何といっても今回のメインは三冬が子供を産んだことでしょう。大治郎も父親になるのですね。初孫の名前をめぐる小兵衞とおはるのやりとりも微笑ましい。祖父になった小兵衞、父になった大治郎が今後どのように活躍していくか楽しみになりました。2017/02/16
ゴンゾウ@新潮部
104
待望の初孫誕生のおめでたい第11シリーズであったが、小兵衛さんにとっては悲しい物語も多かった。かつての弟子を自らの手にかけた小兵衛さん。今の自分だったらあの時違った対処が出来たのにと悔やんでしまう。新しい家族が増えた喜びと少し淋しさが同居した作品だった。2017/08/12
Makoto Yamamoto
59
再読。 若かりし頃のアドバイスが必ずしも十分でなくって、反省する小兵衛。60を過ぎた今なら、違った言葉を選んだと思い落ち込む小兵衛ってうまく加齢していると思う。 「勝負」での【その試合「負けてやれ」』の言葉は年輪を重ねた結果。 三冬も同じ言葉を大治郎に。 大治郎は自分忠実に試合に出る。 いい話。 『初孫命名』ほのぼのしたやり取り。『助太刀』秋山親子も一役買った動きに。 再読なのだが、いずれの短編もスッと入って、のめり込んでしまう。 次巻がア楽しみ。2021/06/06
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