内容説明
「親の敵……」夜の闇につつまれた猿子橋のたもとで、秋山大治郎は凄まじい一刀をあびせられた。曲者はすぐに逃げ去り人違いだったことがわかるが、後日、当の人物を突き止めたところ、秋山父子と因縁浅からぬ男の醜い過去が浮かび上がってくる「待ち伏せ」。小兵衛が初めて女の肌身を抱いた、その相手との四十年後の奇妙な機縁を物語る「或る日の小兵衛」など、シリーズ第9弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
150
この巻には7つの話があり、結構息子の活躍が多くなってきています。主人公もおじいちゃんになるらしくこの中では少し年寄りくさくなってきている気がしました。人情めいた話がかなりありほろりとさせてくれます。2017/08/24
優希
117
久々の剣客商売、9作目となりました。ここまでくると、大治郎が小兵衛に似てきたような気がしました。剣客としてもう一人前と言ってもいいでしょう。少しずつ季節が移り変りつつ、語られる関わる人たちのエピソードや後日談。大治郎と三冬の間には新しい命が宿ったり、おはるの小兵衛を想う気持ちがあたたかかったり、そういうところが良かったと思います。それでいながら緊迫感も漂い、相変わらず安定した面白さです。小兵衛が初めて女性を知った経緯が知ることができたのも収穫かもしれません。2017/01/16
ゴンゾウ@新潮部
107
剣客シリーズ第9弾。ますます充実してきた感がある。大治郎の成長を感じさせる一方、晩年を迎えて風邪をひいてもなお気力みなぎる小兵衛。若き日の小兵衛さんのエピソードが微笑ましい、「或る日の小兵衛」。小兵衛さんも気遣なかった女の情念の深さを描いた「冬木立」がよかった。2017/04/10
yoshida
105
剣客商売シリーズ第9弾。今回は哀切のある作品が多かったか。秋山父子が遭遇する様々な事件。誤解や人違いもある。事件を解決して語られる様々な事情。そして良かれと思い取った行動がもたらす、まさかの結末。それぞれに深い余韻がある。「冬木立」はなかなか遣り切れない。「討たれ庄三郎」での決闘のまさかの展開。庄三郎と彼を庇う万之助の哀しさ。万之助の純粋さが印象的。やや物哀しい物語が続くが、小兵衛の妻おはるの素朴さと明るさが際立つ。剣客である秋山父子の腕も冴え渡る。読みやすく、小気味良い面白さがある。珠玉の作品集である。2021/06/28
KAZOO
101
何度目かの再読です。いつもながらさらっと読んでしまうのですが、今回はかなりやるせないというか武士の社会の不条理さがかなり印象に残りました。主人公を若いころから援助してきた人物が飛んでもない2面性を持ちあわせたり、あるいは武家社会での当然の役割である親のかたき討ちをするための話で意外な事実が判明したりと若干もやもやしたものが残る話が多かった感じでした。2023/10/10
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