内容説明
起死回生を図(はか)ったガダルカナル作戦では、日本兵3万1千余名のほとんどが、餓死か病死という凄惨(せいさん)な敗北。一方、北方アッツ島でも全員玉砕(ぎょくさい)! 日々敗色濃くなるなか、伍代(ごだい)家では、皮肉にも軍需景気に沸き返った。当主由介(ゆうすけ)は先の見通しに悲観的だったが、実権は戦争協力、便乗を叫ぶ長男英介(えいすけ)に移動する。悲痛の地獄編!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あらたん
58
ミッドウェイて敗北してからは、もう負けるべくして負けており、ガダルカナル、アッツの敗退など、読んでいて悲しくなるほど。まさに科学と非科学、合理と非合理の戦い。 このタイミングで敗戦を覚悟し、「どのように負けるか」を考えて動けなかったのは何故なのか、考えざるを得ない。戦後、イデオロギーを超えたところで敗戦原因の総括をしなかったツケを何処かで払わなければならなくなると思えてならない。もしかしたらすでに払い始めているのかもしれないが。2024/12/29
James Hayashi
22
ガダルカナルでは2万余りの兵士が亡くなっている。原爆などに比べると取るに足りない数かもしれないが、これは作戦ミスによる数だ。この様な膨大な死傷者を出しながら責任追求されず、無茶な作戦がそのまま続いた。ガダルカナルだけでない。ノモンハン、フィリピン、アッツ島など各地で数万を超える戦死者、餓死者。あまりにも惨たらしい戦争だった。最終巻へ。2021/01/04
しんすけ
12
前(7)巻から読むのがかなり辛くなったが、本巻ではさらに小休止なくては読むことできない。 今日でも考えさせられることが、あまりにも多い。 日本人は何時からこれほどに無計画な行動をするようになったのか。 このまま進めばどのような破綻が来るか、まともに考える力があれば解りそうなものだが補給確保も怠ったまま前線を拡張していく。 米軍は太平洋諸島の交易遮断し日本国土を含めて餓死作戦を展開している。それを見抜いた為政者は独りも居なかった。 民間には居たようだが、それらは愛米非国民と見なされて大半が牢獄へ連行された。2019/08/19
松本 あゆみ
0
三一新書15、16にて読了。2023/07/28
あっちゃんのパパ
0
評価=5:ミッドウェー海戦の敗戦以後の、日本の悲惨な戦い(ガダルカナル、アッツ島など)は玉砕の連続で胸が痛くなった。相手と戦って死ぬのではなく兵糧や弾薬がなくなり餓死したり無謀な白兵戦にて無駄死にしてい事を戦争の上層部が行き当たりばったりの戦争判断と希望的観測による稚拙な戦争と計画に寄り継続していた事実を知って悲しくなった。2023/01/05