内容説明
農村に飢餓、街には失業者。経済は行き詰まり、政局は混乱する。それに乗ずるかのように日増しに強まる軍部の圧力。伍代(ごだい)財閥は満州工場設立を企図し、当主・由介(ゆうすけ)、英介、由紀子、と相次いで渡満。陰謀、策略、圧殺、クーデター。そして、遂に満州事変の勃発……! 雄大な構想、多彩な人物で綴(つづ)る、戦争文学史上未曾有(みぞう)の大河小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あらたん
58
中心は満州事変の勃発。関東軍の暴走ということになっているが、軍の中枢は陰ながらサポートしていたし、国民の中にも満州侵略を是とする空気が大勢を占めていた。その背景には貧困と格差があったことは否定できない。日本では貧困問題の解決は共産主義ではなく帝国主義だった。 ただ、その動きが欧米列強から即座に否定されなかったことも頭に入れておきたい。彼らは中国への同情心から動いたのではない。あくまでも中国における自らの利権を日本が奪おうとしたから動いたのだ。優勝劣敗の帝国主義の時代。わずか100年前のこと。2024/07/17
James Hayashi
21
満州事変。歴史やその当時の状況などは註で触れられている。こちらは澤地久枝氏が担当されたとのこと。情欲に溢れた伍代財閥の描き方が厚みがあり面白い。次巻へ。2020/12/29
しんすけ
14
「運命の序曲」終盤は1930年(2029年10月の大恐慌発生以降)からの状況が描かれる。 /1931年9月 柳条湖事件(満州事変勃発) /1932年3月 満州国建国 /1932年3月 五・一五事件 /1932年9月 日満議定書調印 / 満州事変は実質は日満戦争と云うべきで、この日から大東亜戦争が始まったといって良い。 しかし当時の日本の体質ではとても戦争などできる状態ではなかった。 日本が戦争をすることは、足腰の鍛錬もなくバーベルを持ち上げているようなものだった。 その要因は日露戦争の捉え方にあった。2019/08/01
松本 あゆみ
0
三一新書3、4にて読了2022/10/15
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