内容説明
「キマイラ」をめぐる数奇な過去を語り終えた玄造は、キマイラ化した麗一が出没するという南アルプスの山中へと向かう。そこでは異能の格闘家・龍王院弘も、再起を図って獣の道を歩んでいるのだった……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おかむー
54
角川文庫版キマイラ17巻、13巻から始まった長~い過去編がひとまず終了。ようやくときおり挟まる程度の扱いだった現代を舞台にした本編に戻ってきましたよ。『たいへんよくできました』。過去編のクライマックス的に描かれた馬垣勘十郎vsアレクサンドル戦のえげつなさや、“手足どころか口さえもいくつあるのかわからない”獣と化した九鬼と遭遇する龍王院弘の恐怖など、消化不良気味だった過去編の鬱憤が晴れるようなキマイラ“らしさ”が嬉しい。いつのまにか主人公のひとり扱いになった菊地も重要な視点のひとつとして定着しましたね。2016/03/05
Kira
18
図書館本。久鬼玄造がキマイラに関わることになったいきさつを語る話が長すぎて、ちょっと退屈した。この巻でも半分以上を使ってやっとその話が終わり、行方をくらました久鬼麗一の捕獲に動き出した。それにしても、玄造の話をもっと簡潔にできなかったのだろうか。2024/02/25
爺
6
どうやら、ここからが未読。ついに舞台は現代(作中の)に戻る。1巻を初めて読んだ中三の頃、このシリーズがこんな展開をするだなんて想像だにしなかった。『黄金宮』や『荒野に獣~』の様な超人展開になると思っていたのが懐かしい。ようやく明らかになり始めた、雪蓮の一族、狂仏など西域関係の存在が面白い。2016/02/25
なつみかん
4
2010年にソノラマノベルズで出たものの文庫化にて再読、相変わらず読む時のテンポの速さは気持ちいい!その分、すぐに読み終わって次を〜となる^_^;2016/03/06
黒蜜
3
面白かったです。西域編?に入ってから登場人物の手記という形なので、夢枕節というかちょっと文体が変わっていて、ある意味ふつうの小説を読んでる感じに。いろんな秘密が明らかになってきて、敵方だった九鬼玄造が実はそんなに悪くないという気持ちに。そして、いよいよ謎の西洋の組織が現れてきたが…。引っ張るよねぇ。後半は現在に戻って九鬼麗一を追いかけるがそのネガ?として龍王院弘と菊地がクローズアップ。九鬼には実は九十九よりも菊地の方がキーになるのだろうか。そして龍王院弘はいよいよ復活か。2016/03/11