内容説明
ある夜、島村雄作がうたた寝中、泥坊が入った。なにも盗られた様子はないが、見知らぬ女性用ライターとヘア・ピンが落ちていた。それを発見したのが帰宅した妻の美枝子だったため夫婦の間には険悪な空気が……。その翌日、怪しげな二人組の男が押し入り、妻は人質に取られてしまう。(女を逃すな) ほかに、長篇推理「やぶにらみの時計」など初期の傑作を収録する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
36
都筑さんの初期の長編と短篇が収められています。私は表題作よりも長編の「やぶにらみの時計」が好きで昔からよく愛読していました。エンターテイメントそして読ませてくれます。また最後には生島治郎さんとの対談も治められていて、ミステリーマガジン創世記のころの話しが読ませます。2015/02/17
よるのもち
16
長編の「やぶにらみの時計」と、8つの短編に加えて生島治郎との対談も収録されている都筑道夫の初期作品集。短編の中だとぞっとするオチの「黒猫に礼をいう」が良かったが、何よりも長編の「やぶにらみの時計」が一番。朝起きたら全くの別人として認識されているという不可解な現象が論理的解釈によって解決する。生島治郎との対談では、トリックに主題をおくのではなく、論理によって推理が行われる事への重要性が語られており興味深い。2020/06/27
Chako@(旧名:かど =^ェ^=)
2
初めての都筑道夫作品。私のそれまでの都筑道夫の印象は、EQMM・日本版を創刊時から編集に携わり、海外ミステリーに造詣が深い人物というイメージが常であった。たった一冊読んだだけだが、さらにこの印象が増した(特に編集者時代の苦労に驚愕した)と同時にミステリー作品の豊富な知識からくる趣向やアイデアを、自分なりに咀嚼し本歌取りのような傑作を書き続けた作家という印象が強くなった。初の現代ミステリー長編、「やぶにらみの時計」の状況設定はアイリッシュの「幻の女」から、語りの2人称はビュトール「心変わり」から、↓つづく2021/02/02
岸田解
2
遂に『やぶにらみの時計』を読むことが出来ました。2015/03/13
MIRACLE
0
著者の最初の長編推理小説「やぶにらみの時計」(昭和36年)に、昭和33年前後の短編、エッセイ・対談を収録した作品集。長編は二人称の失敗作、短編は習作レベルの内容。筆者は生島治郎との対談で、推理小説の本質について「推理小説はトリックや事件の謎でなく、どうやって解くか」「論理だけで謎を解く」ことの重要性をのべ、「論理による謎解き小説」を提唱する。ところが、筆者は主人公の謎解きに「論理」を持ち込むのでなく、小説に論理を持ち込むという誤りを犯している。筆者の推理小説がつまらないのは、そのせいである。2016/03/24




