内容説明
常念岳に登っていた中学生パーティーから安曇野署に救助要請が入った。女子生徒一名が転落し重傷だという。結局、治療の甲斐なく息を引き取ったが、刑事・道原伝吉は小さな矛盾点から死因に疑問を持ち始める……。(表題作) 道原伝吉の粘り強い捜査が真実を解き明かす山岳ミステリー五編に、男女のもつれた感情を描く2編を加えた、“情念の文学”梓ワールド傑作集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yamakujira
7
7編のミステリ短編集。表題作と「岩稜の目」「小屋閉めの前夜」「近い山」「重装備」は北アルプスを舞台にして道原刑事が活躍するシリーズで、「春の血筋」は都会に暮らす母娘が北アルプスの事件に関わって豊科署の刑事の訪問を受けるから、まあ山岳風味が皆無じゃない。「傷口書留」だけは山には関係なく、郵便物の謎を解く探偵の物語で、事件でさえない。これも収録されたのは「常念」に掛けて「情念」ってことか。相変わらず乏しい証拠で推理をぶつけたら自供するって話ばかりなのが物足りないけれど、軽く読めるからいいね。 (★★★☆☆)2020/07/08
きあ
7
登山に興味があってタイトルから本を手に取ってみたけど… あまり山岳だからっていうミステリーは無かった。とても短い間短編小説なのでさくさくとは読めた。一番最初の話の犯人は結局どこに消えてどこから下山したのかが未だに不明です。2017/08/23
かぐや.
2
久々に山を感じられた一冊。短編だから仕方ないけど、息詰まる場面は少なかったかも。でも動機や殺人方法などしっかり読み取れてストレス無く読了。軽く読むのに良い一冊でした。2024/05/13
Tadashi Totsuka
2
道原伝吉シリーズなどの短編集7篇。やはり短編集では少し物足りない気がします。しりつぼみな作品が多かった。長編を読みたいですね!2018/08/11
ふああ
1
常念好きにはたまらないですね。2013/07/26