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内容説明
古代末期という激動の時代に,貴族世界にとどまらない開かれた精神がとらえた,日本への仏法渡来と伝播の物語。インド・中国・日本の貴賎老若男女が,生々しいエネルギーにあふれて登場する。第5巻は,巻第二十六(本朝・宿報),巻第二十七(本朝・霊鬼),巻第二十八(本朝・世俗)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
10
二十六(本朝宿報),二十七(本朝霊鬼)、二十八(本朝世俗)の3巻を収めた本巻は、前世の報いに関する仏教説話に始まる。が、前世で戒めを破った罪が現世に現れる仏教の教え(宿報)から、夜に外に出ると鬼に食われる(霊鬼)という生活の戒めとなり、自己に固執して失敗する滑稽話(世俗)の戒めへ意味が変わる点が面白い。動物達を例に現世の行いと前世との因果を諭す教訓話が、逢魔時にさらった女を鬼に食われる業平の強引さを原因と捉え、鼻の長い僧侶禅珍の頑固さが笑いを生む理由を導く逸話に変わる。因果の使い方が世俗化を促したようだ。2022/10/30
ナイル
0
とにかく面白い。安義橋の鬼の話を読みたいためだけに買ったといっても過言ではない。この本に収録された巻は、鬼や怨霊の話が中心なので、大変楽しく読めた。2018/02/21