東洋文庫 今昔物語集 ４ 本朝部 ４

著者名：訳者：永積安明/訳者：池上洵一

平凡社（2015/03発売）

• ISBN：9784582801040

内容説明

古代末期という激動の時代に，貴族世界にとどまらない開かれた精神がとらえた，日本への仏法渡来と伝播の物語。インド・中国・日本の貴賎老若男女が，生々しいエネルギーにあふれて登場する。第４巻は，巻第二十二から巻第二十四(本朝。巻第二十一欠)，巻第二十五(本朝・世俗)まで。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[roughfractus02]

欠巻した21巻に続く22-25巻を収める本巻では、他の書物にもある藤原鎌足、平将門、安倍晴明、三善清行ら朝廷の貴族のエピソードの中に神話時代からあるという相撲節会に出る怪力の「相撲人」が力試しをする話や怒ると船を陸に上げるほどの力を持つ女の話が混ざり合う。肉体の強さの驚異を物語るこれらの逸話は過去の書物にもあるようだが、時折出典不明の話もあり、その中に武士達の合戦の話も出てくる。鬼神や呪力の話は『日本霊異記』にもあったが、本書にある肉体の力に関する話は、人々が生きる世俗世界へと語りの向きを変えるようだ。

2022/10/29