内容説明
日蓮大聖人の仏法による民衆救済をめざして、一人立った創価学会第二代会長・戸田城聖。その真実の姿と、発展しつづける創価学会の歴史を描いた大河小説。(9巻概要)舞台は北海道・小樽。地元の学会の中心者である婦人たちが、日蓮宗(身延派)から改宗した会員宅を訪れると、学会の布教を阻止しようと目論む日蓮宗の僧侶に出くわした。双方の話し合いは、やがて法論開催の誓約に至る――北国で突発したこの事件は、創価学会と日蓮宗の公開法論となり、昭和30年の3月11日、山本伸一の司会のもと、学会は完膚なきまでの大勝利を収める。歴史的な“小樽問答”であった。この春、戸田は、統一地方選挙に同志を推薦する。仏法を生命に刻んだ人格高潔な人材を政界に送り、政治を民衆の手に取り戻すためであった。伸一が指揮をとった東京都議会の大田区と横浜市議会の鶴見区が最高点で当選するなど、全国で53人の同志が当選した。会員の折伏の情熱は一段と増し、広布の上げ潮となっていく。さらに新潟大火災を通して、会員が得た信心の実証がつづられる。(9巻目次)発端/小樽問答/展開/上げ潮/実証
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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9
「民衆の平和と幸福のためになるのであれば、どんな政治形態であっても差し支えないだろう。彼は、政治形態を批判していたのではない。政治そのものに巣くう魔力が、問題の焦点であった。それは、政治権力を握った者、政治家の内にこそ潜んでいることは理の当然である。魔は、自由主義体制や社会主義体制に潜んでいるのではない。それらを支えている政治家、その人間の内部に巣くう魔の力が、それらの体制をむしばんでいることを、彼は問題の帰結としたのである」どこまでも宗教革命が根本。生き方の芯となる思想が正しく無ければ、表現も曲がる。2020/06/26
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8
この時期に本シリーズの第10巻を読む人も多いと思うが、基本的な事をまず理解するためにはこの巻の展開の章を読むべきだと思う。なぜなら、第10巻は「いかにして勝ったか」を詳細に書き残すもので、この巻は「なぜ戦うのか」「なにに対しての戦いなのか」という、そもそもの所を描くからだ。これを間違えば誤解が生まれる。また納得しきれない靄が生まれる。本書にある歴史的淵源、発想の源を知り、その目的をしっかり捉えていくことで、納得して取り組めるようになる。特に今の時期において、何よりも大切な事が書かれているなと思った。2017/04/20
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6
上げ潮。成長の勢いはとどまるところを知らない。が、この中で一歩でもつまづくような事があれば惨たる事にもなりかねない。そこを僅かもあやまたず、確実に大きなうねりへとしていったその細心さに驚く。結局、大きな力も小さな力も、細心の注意を払って着実に進める中に根本がある。身が引き締まる。また、特に275pから282pまでの内容は、今の時期、青年教学一級に取り組む方達にとって理解を深める上で非常に良いと思う。2018/08/12
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5
「日寛上人の仰せには、『いかなる願いとしても、その願いの叶わぬことはない』とおっしゃっている。これがご本尊様の功力です。法力、仏力です。これを疑うならば、信心しない方がいい。これを信じるならば、しっかりとおやりなさい。末法の御本仏が約束しているのに、それを信じない。それで、苦しみ通して死ぬなどというのは、愚の骨頂ですよ。それを、みんなに教えてあげて、そして、自分も幸せになり、人も幸せにするのを広宣流布というんです」(278p)。本人が悩みを解決するための信仰であり、まさに人間のための宗教であることを語る。2024/01/28
まっちゃん
3
決心がついたか、焦るんじゃないよ、まず腰を据えることだ。2014/01/20