内容説明
「人間てなんて美しいんでしょう。これはすばらしい新世界」
――絶海の孤島で成長した美しい娘は思わずこう叫ぶ。ここにこめられた何重ものアイロニー。かつてこの幼い娘とともに国を追われたミラノ大公プロスペローは魔法により復讐をはかるが、やがて復讐者への憎しみは赦しへと変わり、平安が訪れる。妖精たちの歌声にみちた魔法の島で織りなされる、詩的情緒あふれるシェイクスピア最晩年の名作。そこにはシェイクスピアならではの苦みも仄見える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おりん
24
思ったより読みやすく面白かった。シェイクスピアってルネサンス後の人なんですね。そのおかげで現代人にも理解しやすい物語になってると思う。意外とアダルティーで、文学的な下ネタも出てくる。人間は清いところばかりでないことをよく分かってらっしゃる。要するに、人物描写が良い。あと、口上で語られる情景描写も良い。普段は使わないブンガクっぽい言葉が出てきて面白い。訳者の最後の解説も良かった。2018/06/28
syota
4
原題は「テンペスト」。シェークスピア最後の単独作。陰謀で海に流され孤島に漂着した公爵が、魔法と配下の妖精を使って復讐する話。公爵の力(魔法と妖精)が図抜けていて、すべて計算どおりに運んでいくため、波乱やスリルはない。最後には自分を陥れた人々を許し大団円になるが、許された悪役たちがどの程度本気で反省しているのかはあやしい(^_^;) 主役の公爵親子より、指輪物語のスメアゴルを思わせる半獣半人のキャリバンのほうが個性的で、魅力を振りまいている。シェークスピアは悪役の造形が本当にうまい。2015/01/23
erie
3
この話はよく知らなかったのだが、現代のテーマにも通ずるような孤独や差別、集団から別離された人間の自我の問題などが設定されていて、とても面白かった。ただ現代的に解釈しようとすると人物の行動が不自然だったりしてなかなか厳しい面もある。おそらくキリスト教的な善悪美醜の二元論とか。翻訳者のあとがきもすごい熱量で必読。2010年の映画もまた違う解釈で作られていて良い。翻訳者はキャリバンが気になるようだが、評者はエアリアルの目線で読んでいた。2019/06/23
読書日記
1
教養として読んでみたかった、短いから最後まで頑張ったが、こんなにもつまらないとは…戯曲でも面白いものはあるから形式は関係ないと思ってたけど、台詞長過ぎ。設定とかも全て台詞で語らせちゃってるし。訳文でも韻踏んでるのすごいなとは思うし、訳者の血の滲む努力が垣間見えるけど、読む側としては何も楽しくない。小説形式でないので途中あらすじが掴めなかった。かなり下品な表現が多いことは驚いた。キャリバンが人気あるというのは、わかる気がする。あと、プロスペローは最後、魔法を失うのか?絶園のテンペストとの関連を感じた。2026/04/27
左手爆弾
1
人々を惑わせる嵐もまた人の思惑。舞台の醍醐味か。2016/12/29
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