内容説明
息子に家督(かとく)を譲り隠居状態の駿河国・江崎藩元藩士・海野洋之介(かいのようのすけ)のところに、人殺しの知らせが。殺されたのは江崎藩の藩士。しかも、喉元を一文字に切り裂くという手練れの仕業だった。藩から隠目付を依頼された甲源一刀流(こうげんいっとうりゅう)の達人・洋之介の前に、次第に藩を揺るがす大きな疑獄が浮き彫りになってきた――。人気時代小説作家・鳥羽亮が満を持して放つ新シリーズ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
56
隠目付の海野洋之介の活躍の物語です。甲源一刀流の遣いて海野洋之介48才は、駿河国江崎藩七万石で七十石を頂戴する目付組頭であったが、三年前に倅の友之助に家を継がせて隠居した。そして、好きな釣り三昧で暮らしている。剣の強さと人柄から深川、今川町にある釣宿「舟政」の女将おみつに頼まれて舟政に居候をしている。が、隠居する時に直接の上司であった、江崎藩大目付の岡倉牧右衛門に頼まれて江戸での隠目付となった。2024/08/19
ぶんぶん
9
【図書館】適当な本が無いかと図書館を物色中、これに当たりました。 カバー裏の解説で判断しましたが正解でした。 隠目付の設定が面白かったです。 凄腕の隠居と言う設定は目新しいものでは無いのですが、剣戟の棲ましさは、やはり剣道を習っていた著者特有のものだと思います。 登場人物に惹かれ、続きも図書館にリクエストを。 しかし、「江崎藩」のエピソードだけで果たしてもつのか・・・ まぁ、読んで見る事にしましょう。2017/06/19
蕭白
8
図書館で衝動的に借りました。目立つ、派手なキャラの主人公ではありませんが、楽しい時間が過ごせました。2015/05/11
雅
2
いつもの感じ2017/09/07
JAP
2
初めて読んだ鳥羽亮さんの本。時代物小説でありながら、私にはキャラクター小説のようにも読め、不思議な気分になった。なんと言っても斬り合いの描写が臨場感に溢れている。ラストの山鹿と洋之介の一騎打ちのシーンは鳥肌が立った。死笛かっこよすぎた。2014/02/09