内容説明
「一番札をお持ちの方、どうぞ」書役小頭(しょやくこがしら)の佐吉の声で鏡三郎の一日の仕事が始まる。八丁堀近くの仮牢「大番屋」の元締・鏡三郎の許には、話を聞いてくれ、牢屋から出してくれ、と早朝から人々が詰め掛けるのだ。欲と欲とが突っ張り合う金公事(かねくじ)から、娘夫婦のまたしてもの揉め事、しごき帯で結びあって流れ着いた心中死体の後始末まで、よろず相談事が持ち込まれる上、はしご酒が続けば女房どののご機嫌もななめに……。人気シリーズ第三弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kei302
58
婿殿三九郎と娘の知穂は相変わらず。借金踏み倒しに詐欺、大名家はどうなっているのでしょう、まったく。再読。この巻はわりと覚えていた。「思い立ったが吉日」がよかった。2021/12/28
優希
50
淡々とした印象を受けました。鏡三郎が何故縮尻御家人となったかのエピソードが語られています。そのせいか、色々な相談事が持ち込まれるのですね。2020/11/30
Hironobu
10
シリーズ第3弾。最後の「御家人花房菊次郎の覚悟」がなんとなくよかった。ライバルとして鏡三郎と切磋琢磨していた菊次郎。いつしか正反対の道に進むことになるも、ある事件をきっかけに再開する。2017/03/23
ひかつば@呑ん読会堪能中
10
前巻で長崎から戻り、身を固め大番屋元締の仕事を再開した鏡三郎。市井のイザコザを一ひねり二ひねりして解決させる数々の話は安定した面白みがあるが、スケールの大きな話も欲しいな。2013/06/27
沼田のに
4
娘の知穂は三九郎と合わないようだが、知穂のような独立心の強い女は、ちゃんとした男と一緒になってあれこれ言われるよりも、だめ男と一緒になって家庭を好きなように運営して生きていくのが性に合っていて読み手も読みやすい。いずれは恥ずかしながら元の鞘に収まる運命だと思う。しかし鏡三郎の活躍は隠居とはいわないだろう。7/102014/02/16