内容説明
帰宅途中で暴漢に襲われ、格闘の末に男を殺してしまった英知大学一年の祝部浩也は、同じ大学に通う先輩であり、自称〈死体埋め部〉の部長・織賀善一に窮地を救われた。だが死体を処理してもらうのと引き換えに、祝部は唯一の後輩部員として織賀の仕事を手伝いながら、奇妙な死体の謎を解くはめに。誰に頼まれたわけでもなく、織賀の“承認”を得るためだけに推理を続ける祝部。ふたりが歪な部活動の果てに辿り着いた「あの日」以前の物語と分岐した未来を描いた2話に加え、待望の書き下ろしを収録して復刊する初期傑作ミステリシリーズ第2巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸巻
26
前作を読んで絶望を味わい続編の立ち位置にある今作を読むのが待ち切れなかったが、こんなに主人公に切ない感情を持ちながら読むことになるなんて。最初の1、2話はあの日以前の死体埋め部のエピソード。まだあんな未来が待ち受けているなんて思いもしない2人。合宿と称して夏休みに北海道へ二人旅に出かけ青春を満喫しているが、やっぱりそこは合宿なのでそんな展開に…。そしてあの日以後を描いた2つのルートxとy。どちらの未来が祝部にとっての幸なのか考えさせられる。yの織賀の存在感の曖昧さ。知らないまま受け入れるのが今は精一杯。2025/08/03
うさぎや
6
2巻は前巻の追加エピソードと分岐型後日談。まさかそんなルートがあるとは……2025/08/05
椎名
5
結末のその後が描かれている続編の復刊、なわけだが、元々読んでいたところから書き下ろしで印象が一気に変わって情緒がめちゃくちゃになってしまった。嘘をつくコツは、嘘をつかないこと。織賀先輩の言葉は祝部だけではなくこの作品そのものに的確に適用されている。どこにも何にも、明確に描かれていないからこそ、もしかしたらが付き纏う。そしてそこに触れずにいれれば、何事もなかったかのように進行する。かつて読んだときは正直蛇足かなと感じていたのだが、今ではここまで含めて完成すると思える一冊になった。2025/08/01
Urmnaf
3
依頼を受けて死体を埋める英知大学のサークル、死体埋め部の物語、再。前巻のラストを受けて、祝部の織賀に対する気持ちが複雑に入り乱れ、様々な世界線での埋め部の物語。部活動である以上、合宿は必須とばかりな北海道合宿編はスピンオフ的。そして、2人だけしか部員がいない埋め部のその後。自分だったら、この先輩にこの感情はないなと思いつつ、なので祝部にはそこまで感情移入はできず、それでもこの関係はアリなのかなと思いつつ。なんとも奇妙な読後感でした。2025/08/19
角
3
元本を修正し、書下ろしを加えて祝復刊、と言いたいところだが、そこはこの著者のこと、安易には読者を読了気分にさせてはくれない。新規に巻末に加えられた短篇をどう読むべきか。相変わらず翻弄してくれる。ところで、書誌情報的には、今回追加されたのはどの短篇なのか、巻末に明記してもいいと思うのだが。元本と比較すればわかるし、ファンはそうするだろうし、そうでない人は普通に読むだろうから、重要じゃないのかも知れないが、そういう情報が無いのが気になる。2025/08/01
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