内容説明
英知大学の新入生・祝部浩也は帰宅中に暴漢に襲われ、格闘の末に誤って男を殺してしまう。「助けてやろうか?」そこへ通りかかった大学の先輩・織賀善一の提案で、いったん死体を埋めに行くことに。だが死体を運ぶために乗り込んだ織賀の車の後部座席には、すでに“左手の指をすべて骨折した死体”が座っていた。死体処理で生計を立てる織賀になかば脅され、祝部はその手伝いをしながら奇妙な死体の謎を解くことに。ふたりだけの歪な部活動が行き着く先とは――。気鋭の著者による初期傑作ミステリ、全面改稿の上、書き下ろしを加えて待望の復刊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いちろく
24
正当防衛に近い形で殺してしまった暴漢の死体を捨ててもらう代わりに、先輩・織賀の死体破棄業務を今後手伝うことになった主人公の祝部。織賀と祝部が関わる依頼人から引取り破棄していく死体を巡る連作短編でもある。面白い小説を書きます。と某所で公言している著者なだけあり、流れの構成を含めフィクションとして興味深く最後までページを捲ってしまった。「死体を埋めるような人間が、たかだか人間関係で失敗するはずがない。」作中のこの一文が私の中で最後まで尾を引いた。2025/08/12
糸巻
22
2019年に刊行された作品を改稿、書き下ろしを加えて復刊。大学説明会からの帰り道、見知らぬ男に襲われ正当防衛で相手を殺してしまった主人公・祝部(はふりべ)。突然現れた同じ大学の先輩だという織賀に声を掛けられ誘われるままに死体と共に車に乗ってしまう…。半強制的に【死体埋め部】の部員として犯罪の片棒を担ぐことになってしまった祝部が、回を重ねるうちに織賀との関係性が深まるのが好い。薄まる罪悪感や、もう抜け出せないだろう織賀には危うさが付き纏う。終盤の2人に愕然としたが続編なのか?あるのでこれは絶対に読みたい。2025/07/16
ちゃちゃまるり
15
タイトルが気になり購入。大学生の先輩後輩2人が死体を埋めるというタイトルまんまの話。登場人物全員ぶっ飛んでいて誰にも感情移入できない。けど死体埋め部の2人には歪んだ絆が産まれていく。中盤までは埋め部の活動中心に進んでいくがラストにかけての回収と次作への余韻が気になりすぎたため次作も読む。2025/08/12
あさみ
13
帰り道に知らない男に襲われ、抵抗したら相手を殺してしまった祝部。そこに通りがかった大学の先輩・織賀に助けられ、死体を埋めに行くことに。唐突無形で普通に死体埋め部になっちゃう祝部(弱み握られてるから)が、死体を埋めに行く道中に死体の奇妙なところを推理するのもイカれてる。テンポよくなってくると、ちょっと文体が乱れるイメージの作家さんですが、なんとか読めました。このラストはなんなんだろう…続編あるみたいなのでそっちで解決してくれることを祈ります。2025/08/22
ナオ
10
面白かった!!まさかタイトル通りの死体を埋める部活とは(笑) いきなり男に襲われ、抵抗の末、人を殺してしまった主人公と、そこに現れて死体を埋める事を提案する、大学の先輩。あらすじを書くだけで、何それって感じだけど、提案した先輩の車にはもう一つの死体が(笑)で、主人公は表向きは生物研究部の死体埋め部に入部することに。ユーモアミステリかと思ったらなかなかシリアスで。死体の奇妙な状況を推理していく面白さと先輩の得体の知れなさ。後半は恋愛物語を読まされてるのかと。このラストは期待するしか無いと思うのだけど2025/08/15
-
- 電子書籍
- 傭兵ピエール 3 ヤングジャンプコミッ…
-
- 電子書籍
- 拒絶された花婿【分冊】 3巻 ハーレク…
-
- 電子書籍
- 路地裏のほたる食堂 3つの嘘 講談社タ…
-
- 電子書籍
- やじきた学園道中記II 6 プリンセス…