内容説明
英知大学の新入生・祝部浩也は帰宅中に暴漢に襲われ、格闘の末に誤って男を殺してしまう。「助けてやろうか?」そこへ通りかかった大学の先輩・織賀善一の提案で、いったん死体を埋めに行くことに。だが死体を運ぶために乗り込んだ織賀の車の後部座席には、すでに“左手の指をすべて骨折した死体”が座っていた。死体処理で生計を立てる織賀になかば脅され、祝部はその手伝いをしながら奇妙な死体の謎を解くことに。ふたりだけの歪な部活動が行き着く先とは――。気鋭の著者による初期傑作ミステリ、全面改稿の上、書き下ろしを加えて待望の復刊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
143
特殊というよりクレイジー設定が得意な著者の、特にぶっ飛んだ1冊。殺された死体を人知れず始末する大学の非公認サークル活動に、どこにでもいる普通の学生が否応なく巻き込まれてしまうのだから。そんな彼が自称部長に埋めるべき死体の殺された理由を推理させられるが、意外な才能を発揮して「真相らしきもの」を言い当ててしまうのだ。おかげで部長に気に入られ泥沼にはまり込んでいくブラックユーモアに満ちたプロセスが、他の作家に真似できないユニークさを醸し出す。この雰囲気を楽しむミステリを楽しめるかどうかで読者は二分されるだろう。2025/11/16
えも
31
いきなり暴漢に襲われ、もみ合ううちに相手を殺してしまった大学の新入生に、先輩が「助けてやろうか」と声をかけ…▼殺害された死体を山に運んで埋める部活。車の中で死体を見ながら殺害の状況を推理。そんな特殊設定に慣れてくると、不思議な魅力を持つ先輩に惹かれていく後輩の心理、そして破滅の予感が、むしろ謎解きよりも気になっちゃうんだよね。2025/10/23
いちろく
25
正当防衛に近い形で殺してしまった暴漢の死体を捨ててもらう代わりに、先輩・織賀の死体破棄業務を今後手伝うことになった主人公の祝部。織賀と祝部が関わる依頼人から引取り破棄していく死体を巡る連作短編でもある。面白い小説を書きます。と某所で公言している著者なだけあり、流れの構成を含めフィクションとして興味深く最後までページを捲ってしまった。「死体を埋めるような人間が、たかだか人間関係で失敗するはずがない。」作中のこの一文が私の中で最後まで尾を引いた。2025/08/12
ぜんこう
24
大学1年の祝部(はふりべ)は公園で殺されそうになって逆に殺してしまう。それがきっかけで同じ大学の3年の織賀と出会い、死体埋め部の副部長にさせられてしまう。もう設定が想像の上を行き過ぎ。部活動(笑)で何人か埋める際にその死体から死んだシチュエーションを想像したり。部の崩壊…こんな終わり方しかなかったのかな〜、と思わせといて、ゾッとする結末。でもこんなに死体が出てくるのに軽く読めるのは嬉しいような何か複雑な気持ち💦2025/09/12
糸巻
23
2019年に刊行された作品を改稿、書き下ろしを加えて復刊。大学説明会からの帰り道、見知らぬ男に襲われ正当防衛で相手を殺してしまった主人公・祝部(はふりべ)。突然現れた同じ大学の先輩だという織賀に声を掛けられ誘われるままに死体と共に車に乗ってしまう…。半強制的に【死体埋め部】の部員として犯罪の片棒を担ぐことになってしまった祝部が、回を重ねるうちに織賀との関係性が深まるのが好い。薄まる罪悪感や、もう抜け出せないだろう織賀には危うさが付き纏う。終盤の2人に愕然としたが続編なのか?あるのでこれは絶対に読みたい。2025/07/16




