内容説明
縮尻御家人・鏡三郎。人気シリーズ第6弾
米相場で大儲け、大金を隠し持っていると噂されるご隠居が、歳もはばからずに恋をした。金目当ての連中は、あれこれ詮索するが…
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
baba
30
経済に疎いので先物取引などの話しが今一つ良く分からないが、謎の老人九郎右衛門が黙って手を差し出す最後の振る舞いに胸がきゅんとしました。新助も健気で可愛い、先が頼もしい。2017/02/26
ふう
29
初めての作家。江戸時代を扱った作品はいくらか読んできたつもりでしたが、まだまだ知らない職業や掟・決まり事がありました。そういう時代考証や登場人物の関わり合いを理解するまで難しいなと思いながら読みましたが、慣れてくると抑え気味の表現やつながりのおもしろさが感じられるようになりました。お金にまつわる暗い話が多いのですが、年配者の目線で描かれているせいか淡々としていて、最後の劇的な展開も渋いなあと思いました。お金は意味のあることにさりげなく使う…。大人ですね。2013/06/11
ジュール
7
連続して縮尻鏡三郎シリーズ、再読。安定的に面白い。「男雛と女雛」道楽息子の源太郎と、下女のそでの結婚。良かったねとほんわかさせる。2020/05/30
しんこい
6
第一話に鏡三郎は全く登場せず、以降の話でも相談に持ち込まれる話をうまく解決というパターンではなく、むしろ謎のご隠居を中心とした番外編のような感じです。それにしても先物取引だの土地所有と徴税権の分離とか江戸時代の制度は興味深い。2014/02/08
hoehoe
2
(そ)再読…の筈だけど、面白いなあ。こんなに面白かったかな。漫画家の先生が"キャラが勝手に動く"ということがあるが、それに習えば"街が勝手に動いてる"ような感じ。鏡三郎の周りで色々な出来事が起こり、そして日々は過ぎていく。とり立ててお涙頂戴でもなく、笑わしにかかるでもない。で、読み終えてしばらくすると記憶もアヤフヤになり、暫くするとまた楽しめる。最高ですな。