内容説明
失脚して縮尻(しくじり)御家人となった拝郷鏡三郎は、いまは「大番屋」の元締として大忙し。本日もよろず相談事が持ち込まれる。役人の言葉に逆上して「ここで餓死させていただく」と坐り込む男あれば、ぐうたらな娘婿は評定所に呼び出される。趣味の陸釣りに出かければ、手に釣竿を握った奇妙な土左衛門の話を聞かされる。表題作ほか「天に口無し」「護持院ガ原逢魔が時の大捕り物」「舞う桜」「吝嗇之助は吝嗇之助」「妲己のおせん」等を収録、好評シリーズ第二弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kei302
58
元お隣さんの婿殿 三九郎がいい味出してます。それなりに問題もあるのですが…。人が良くて、まめ。で、脇が甘い。甘々で、義父の拝郷鏡三郎の悩みは尽きない。 遂に押し込めの罰まで受け、娘の知穂との夫婦仲はどうなるのでしょう。再読ですっかりはまってしまった。次、行きます。2021/12/23
優希
47
落ち着きがあると思います。失職し、様々な問題が起こるものの、安定した感でした。面白かったです。2020/11/30
Hironobu
9
婿養子の三九郎は脇が甘く様々なトラブルに巻き込まれる。そりゃお知穂ちゃんも腹かくわな。この巻では「無尽」や「入れ子」の仕組みがよくわかる。2017/03/19
ひかつば@呑ん読会堪能中
9
蘊蓄の後は特になんだが、どうしても居眠り紋蔵が頭に浮かんでしまうなぁ。武家同士あるいは町人がらみの難事を、ひとヒネリして唸らせながらも白黒はっきりしていない余韻を残したオチは紋蔵シリーズと瓜二つだ。だけど、時代劇の遠山の金さんと大岡越前を見て楽しむようなもんで、何とも言えない面白さがあるからついつい続けて読むんだよね。2013/06/28
めにい
6
このシリーズ、それなりに事件を解決しようと努力する鏡三郎の態度も好きだけど、最後に偶然やら変な落ちがついて奇妙なおかしみを見せるところが好き。ついふふふって声に出して笑ってしまう。2012/07/26