- ホーム
- > 電子書籍
- > コミック(少年/青年)
内容説明
19世紀後期の英国。アーサー・ロウランド伯爵は、子供たちのために新しい家庭教師を迎え入れた。レイチェル・ブレナン。清らかで美しいその女性を見た子供たちは、何故か彼女と打ち解けようとせず冷たい態度をとる。戸惑いながらも真摯に彼等に向き合おうとするレイチェル。その姿を、ロウランド家の次男・ウィリアムがひとり冷たい視線で見つめていた--。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
天の川
16
誰に対しても攻撃的で、母の死因を追及していたライナス。自分が許される答えが欲しかった。本当は母を心の底から愛していたのに。切なく苦しい「冬の物語」から「春の賛歌」で主役交代。美しい家庭教師レイチェルの登場は家庭教師として滞在していたであろうキングをアンナに想起させるのでは?ウィリアムの歪み方が怖い…。伯爵が包容力のある愛に溢れた人のように思えてしまうけれど、やっぱり胡散臭さが私の中では拭えない。 2015/01/04
veri
10
親が完璧でないと知った時に、子供が子供でなくなるのかなと思う。愛して欲しい、愛したい、でも上手くいかないというのは哀しいけれどきっとよくある話で。親子といえど同じ人間ではないから必ず仲が良いわけではない。むしろ親子ということに胡座をかいて上手くいく努力をしない場合もあるのかも。ライナスの憑き物が落ちたところで、危さ感が半端ないウィリアム君のターン。エイディプスコンプレックスかな。アンナさんは育ちが良すぎて感情出せない感じ?伯爵、優しさや愛は腫れ物に触るような態度では伝わりませんよっ!2014/08/09
片雲さくら
4
冬の物語を文庫で買ってしまったので続編の文庫化を長いこと待ってましたが、ついに待ちきれず大人買いしました。ライナスがかわいく見えるほどウィリアムが怖い。2015/10/17
あおき
4
ライナスは自分が愛されない子供だと思いこむ卑屈な部分があったように思う。 そして契約の虹が登場するシーンについて聖書では「産めよ、増えよ、地に満ちよ」という一文があって、この虹は庶子であるライナスの生の肯定の意味もあるんだろうかと思った。2012/04/06
きのと
3
相変わらずなかなかに重厚で上辺だけでは読めない感じですね。すらすらは読めないけど好い作風。2015/07/18