内容説明
『家康はふしぎな人だ。……この人に果して父性愛があったかどうかということである。』家康の密命を受け、豪快にして凶暴なその六男松平忠輝を倒すべく、秘術を尽す伊賀のくの一とその房術指南役雪ノ外記の闘いを描く「倒の忍法帖」他、多彩な忍法万華鏡全六篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けやき
42
本編は初めてですが作品は全て既読済み。忍法帖短篇集。6篇+ボーナストラック。忠輝が自分勝手の理想の国作りをする「倒の忍法帖」が1番よかった。本能寺の変の裏側に明智羽柴徳川毛利の忍者たちが卍と組む「叛の忍法帖」もいい。2023/09/02
星落秋風五丈原
20
息子は父の背を見て育つというが、背を見られている父親はどう 反応するだろう。徳川家康など、常に自分の視界内に息子の姿をおさめ、自分の思考回路内で行動するよう制御する。だから息子に少しでも反抗的な兆しが見えると、「すわ謀反か。」と気になる。「羅妖の秀康」で服部半蔵に次男・秀康を探らせていた家康だが「倒の忍法帖」では越後の太守となっている六男・松平上総介忠輝を調査対象に選ぶ。彼は藩下の人間を優劣によって天・地・人の三段階に分け、優秀なもの同志をかけ合わせるという選民思想を実行した。2004/10/17
unknown
5
官能描写も強めな濃ゆい六編収録。豪快にして絶倫な松平忠輝のキャラクターと、忍法倒蓮華による結末が強烈な『倒の忍法帖』。驚愕の精子保存法が描かれる『虫の忍法帖』。本能寺の変を巡る四つ巴の陰謀と対決の構図に唸らされる『叛の忍法帖』。スカトロ&穴兄弟的な若返りの秘術に唖然とさせられる『呂の忍法帖』。ヴァーチャル・セックス的なネタも出てくる『妻の忍法帖』。ストイックかつ不条理かつ壮絶な復讐譚『淫の忍法帖』。巻末に掲載されている、せがわまさき先生による『倒の忍法帖』『淫の忍法帖』のイラストも素晴らしいの一言!2010/12/29
EnJoeToh
4
呂の忍法帖がすごい。2010/10/06
チェケ
2
「呂の忍法帖」でご丁寧に図解まで載せてくる悪のりっぷりが最高。せがわまさきのイラストも思わぬサプライズで嬉しい。2019/01/21