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内容説明
東京近郊のレンタルビデオ・CD店の2階にある、(株)炎プロダクション。そこでは一人の熱血マンガ家が、日夜命がけで原稿と格闘していた。その男の名は、炎尾燃。彼はこれまで、締切りに間に合わないという弱音を吐いたことは一度もなかった。たとえ締切りにあと1日しかなく、24ページの原稿が真っ白のまま残っていたとしてもだ。だが、今回ばかりはさすがの燃も難しいかもしれないと思い始めた。お盆前の厳しい進行スケジュールに、いよいよ精神的についていけなくなってしまったのだ。そこで燃は、以前講師をしたことがある代々木アートデザイナー養成学院のコミック科に、アシスタントの助っ人を頼む。2時間後。燃に負けず劣らずの熱血ぶりを見せる学生・前杉英雄が、代々木から郊外の炎プロまで、自転車をかっ飛ばして、フラフラになりながらやって来るが…!?
『燃えよペン』でおなじみの、嵐を呼ぶマンガ家・炎尾燃が帰ってきた!燃とアシスタントの仲間たちが巻き起こす、大熱血、なのに爆笑の怪作。たかがマンガと侮るなかれ。彼らにとってのマンガは、自分の命の全てをかけたものなのだ。絵から、セリフからほとばしる魂の叫びを聞け!彼らのメッセージを受け止めろ!!なお各回のタイトルは、かの熱血刑事ドラマ『太陽にほえろ!』の第1話から第4話のサブタイトルのもじりになっている。そんな細かいところまで熱いのだ!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
11
漫画に命をかける男、その名は炎尾燃…といってもこれは比喩でも何でもない。彼はマジで命をかける。自分の漫画に影響を受けた銀行強盗に出くわし作品を守るためそれに立ち向かい、メディアミックス王と勘違いされ女殺し屋を海外から差し向けられる!まだ現実的だった燃えよペンから話のスケール、バカバカしさのインフレは更に激しくなり、まず間違いなく実際のアシスタントをモデルにしたであろう特撮引用アシなどが炎尾と島本和彦の距離を曖昧に見せていく。これは島本和彦の漫画への情熱をそのまま結晶化した象徴詩のようなものなのだ、多分2015/06/23
北白川にゃんこ
6
バイオレンスな初期!コンプライアンスが緩かったからな!緩かったんだよ!2023/05/05
コリエル
5
20年ぶりに読み返して思うのはこういう漫画家ネタって今も通じる話が多いなってことだ。何回でもループするんだな。読者の言葉に踊らされて作品が狂うとかね。2019/08/02
eira440
4
ストーリーが特段面白いというわけではないのだけれど、作中の主人公を体現するかの如く、漫画への熱と勢い、迫力を全面に押し出して一気に読ませる。そでの部分に書かれている通り、「俺が面白いと考えていることはこれだ!!」というメッセージが1話1話に込められているから、漫画の読み方として参考になるところが多い。後半には藤田先生が登場するらしいので、それが今から楽しみで仕方がない。2015/07/09
烏山ちとせ
3
恩のある知人に対してできるただひとつの精一杯の恩返しが漫画コンシェルジュだったなら、その人は全力でその真似事を疾駆するしかない。 「うしおととら」「寄生獣」「殺し屋イチ」と読書歴と興味分野のヒアリングを繰り返す中で、ひょっとしたらと手に取った本。改めて読むと以前感じた内輪受け・予定調和的な閉じた印象はなく、この人も現実の苦しさの中でなんとかしようと喘ぐ、同じ人間だったのだと年を重ねた今は思う。 そう感じたうえで読めば、なかなか熱い一冊として紹介できるかもしれない。 2018/03/21