内容説明
卒業式まであと二日。どうしよう、もうすぐ薔薇さまたちが卒業しちゃう! 急に寂しさが押し寄せてきた祐巳(ゆみ)。なのに紅薔薇さま(ロサ・キネンシス)ったら、遺言めいた言動なんかして寂しさに追い打ちをかけるのだった…(「will」)。ついに来てしまった卒業式。しかし主役たちは実感が全然なくて…(「いつしか年も」)。他に、聖(せい)と志摩子の出会いから姉妹(スール)の契(ちぎ)りまでを描いた「片手だけつないで」も同時収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かのこ
54
シリーズ八作目。「will」「いつしか年も」愛しきリリアンでの最後の時。集大成の魅力を放つ薔薇さま方の卒業、本当にさみしい。祐巳ちゃんや祥子はこの巻を過ぎても、いろんな成長をして、楽しいエピソードもいっぱいあるけど、祐巳ちゃんが一年生のこの巻までの雰囲気すごく好き。「片手だけつないで」志摩子が白薔薇のつぼみになるまでのエピソード。視点が新鮮。出会いと別れはセット。いつか別れることを恐れて、関わりをもたないなんて味気ない…。こんな言葉をかけられるようになるなんて!お姉さまの目は間違っていなかった。2020/04/19
みっこ
41
【5〜8巻感想】漫画のようにさらっと読んでしまうので、感想はまとめて。薔薇様たちの卒業が寂しすぎる。そしてとても懐かしい。初めて読んだ学生時代、大きめの部活の代表をやっていて、この作品で言えばちょうど『つぼみ』から『薔薇様』になるあたりで。先輩の代表がいなくなるのがすごーく不安でした。『春が来て夏が来て…。日々の生活が忙しくて、気がついたら私がいないことの方が普通になる』『弱みを見せたからって、きっと誰も志摩子のこと攻撃したりしない。もしその弱いところを攻めるようなやつがいたら、それは志摩子にとって→続き2020/06/01
kitten
23
初代薔薇様がたの卒業式。蓉子と聖、蓉子と江利子、江利子と聖。3人の過去からの付き合い、関係が明らかになる。高校時代の親友って、たぶん、ずっと親友だよね。この三人では、やはり白薔薇さまの物語がよい。本当、「いばらの森」のことを思えば、白薔薇さまは、よい方に変わった。そこには、蓉子、祥子、祐巳の、紅薔薇三姉妹が深くかかわっているんだ。祐巳は全然自覚ないけど、周りにすごくよい影響を与えている。志摩子さんに対してもそう。次はいよいよ、桜の季節。チェリーブロッサム。2021/03/12
本木英朗
21
〈マリア様がみてる〉シリーズ第7作目である。卒業式まであと二日。どうしよう、もうすぐ薔薇さまたちが卒業しちゃう!! 急に寂しさが押し寄せてきた祐巳。なのに紅薔薇さまったら、遺言めいた言動なんかして寂しさに追い打ちをかけるのだった……という「will」ほか2編を収録。やっぱり3年生が卒業するのは、俺も超悲しかったわ、トホホ……。特に蓉子だけ、表紙を取れなくて、ねえ。……ということで、これから、蓉子&祥子の話(作者ではなく)を読んでみる。たぶん10回目くらいだろうか。……とりあえず以上です。2025/02/19
扉のこちら側
15
2003年頃に初読。卒業式を描いた数々の作品を読んできたが、そのなかでもお気に入り。できるなら聖と志摩子の話は卒業式前に読みたかった。2010/01/24