内容説明
天下分け目の戦いは大勢を決し西軍が総崩れとなる中、島津隊があろうことか家康本陣へ突進。鼻先をかすめて走り去った「敵中突破」に激怒した家康は島津義弘の首を獲ってくるよう茂兵衛らに厳命する。だが薩摩武士の凄まじき「捨て身戦法」に大苦戦し、勇猛な本多平八郎や井伊直政までもが負傷。そして追撃戦の疲れも抜けぬ茂兵衛にまたも殿の厳命が。「官位をやるから大坂城に居座る毛利家と直談判してなんとしても追い出してこい」。いやそんな無茶な!? 戦国足軽出世物語、まこと大出世の第十八弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
143
島津隊の退き口。捨て奸(がまり)、すごい戦法だ。絶対に守るという信念と覚悟を見せつけられた。見事な敵陣突破だ!そんな中での、出たよ、家康の無茶ぶりが…。茂兵衛、もはやお人好しすぎる。それでも家康の厳命に従う茂兵衛。毛利家との交渉はもちろんのこと、福島正則とのやりとりでは、一をもって十を知るようなひと言といい、交渉人・植田茂兵衛ここにあり!茂兵衛、武士としてただ者ではなくなってきたぞ。そして、つかの間の休息。娘との綾乃と関係は、いまだに変わらんのかい。なんだかなあ(苦笑い)。2026/09/29
はにこ
72
小六を失った茂兵衛。その心の傷は深い。それでも次から次へと難題はのしかかる。島津の捨て身の戦法、怖すぎる。福島正則と家康の仲立ち、毛利家との折衝など、戦のみならず政治まで忙しい。どんどん出世して責任も重くなる。お人好し茂兵衛の活躍、十分楽しめた。2026/08/21
みゆ
65
久々に戦場で茂兵衛大活躍~ヽ(^o^)丿 惣無事令以降、政治的な謀略・籠絡ばかりで茂兵衛の出番が少なったのですが、今回は全滅覚悟の島津兵相手に茂兵衛の槍技、肉弾戦を見ることができました('∇^d)☆!! でも終章では「徳川家の嫌な時代」への突入予告。しばらく狸オヤジの悪知恵&茂兵衛のボヤキが続くのかな(^-^;2026/07/05
saga
45
関ケ原のもう一つのクライマックス。薩摩・島津軍の中央突破による退却……そんなイメージしかなかった島津の退き口。しかし、家康本陣に迫るさまは、茂兵衛に桶狭間の戦いを彷彿させた。経験はないものの、今川義元の最期を同時代人として知る者には、さぞ肝を冷やす光景だったろう。幸い家康は無事だったが、追撃戦を命令され、薩摩の捨て奸=死ぬことを前提とした恐るべき少数の殿軍との戦いが繰り広げられる。島津義弘を取り逃がした後の大坂城引き渡しに、家康の名代を命令された茂兵衛に、中間管理職の悲哀を感じずにはいられなかった。2026/06/24
33 kouch
42
島津の退き口の話はとても好き。人間の「覚悟」とは何たるを教えてくれ、何かそこを描いたものがないか探していたので、とても興味深く読めた。退き口の話だけではないが安土桃山から江戸への激動のひとときを知れて面白い。天下を分ける壮大な駆け引きの中を、茂兵衛が飄々と渡り歩く。他も読んでみたくなった。それにしても捨てがまりは恐ろしい戦法。さすが鬼島津…2026/09/20




