内容説明
大敗した真田との戦で殿軍を務め、単騎で敵に突っ込み、戦場に消えた茂兵衛。「茂兵衛、討死」の報せは徳川に衝撃を与え、朋輩たちは涙に暮れる。だが、ところがどっこい、茂兵衛は生きていた! 戸石城の土牢に囚われながら、じっと救出の時を待つ。一方、家康と秀吉の駆け引きは変わらず続いていた。しきりに秋波を送る秀吉を家康はのらりくらりと躱すばかり。そんな中、徳川の屋台骨を揺るがす大事件が出来する。戦国足軽出世物語、堅忍不抜の第10弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
326
読者含め、誰にとっても予定調和ではあった茂兵衛の生還。これくらいアッサリのんびりした描かれ方が、むしろこのシリーズらしくて良い。今村翔吾さんの『幸村を討て』といい、近年、真田信之の好感度と人気が急上昇中な気が。いよいよ徳川家も、秀吉に臣従の姿勢を見せ、歴史的にはある意味、ここから数年が豊臣家の絶頂期で、その後は迷走が始まる。それに伴って、このシリーズでの家康の惚けた狸っぷりが、真骨頂を迎えそう。とても味のある家康像に仕上がってきているので、非常に楽しみ。真田の面々の再登場も待ち遠しい。2022/11/14
ねこ
129
三河雑兵心得10巻。茂兵衛が討死したとされ家康、平八郎、乙部、兄弟、家族に至るまで悲しみに暮れていた。ところがどっこい茂兵衛は真田源三郎の計らいで生きていた。そして大地震!お陰で秀吉と家康の関係は軟化。さらに茂兵衛は家康、源三郎、忠世、乙部から「休め」と言われ馬廻役になる。この時代の情報が「極めて高価」だった事に納得。諜報活動で情報を集めなければ、商人や旅芸人からの噂話に踊ろされる。そして、阿保の花井もやっと一皮剥けて郡方へ。家康から茂兵衛は欲と恐怖の念が薄いから信頼に値すると吐露される。…次は侍大将だ!2023/02/12
のり
98
当たり前の話だが、「茂兵衛」は生きていた。「真田源三郎」の温情により、命ながらえた。徳川家内でも、衝撃の一戦だった為に帰還は大きい。世は「秀吉」の天下になりつつあるが、No.2の地位にある徳川にとっては非常に立場が悪い。政治的にも軍事的にも分が悪い。水面下での「伯耆」の決断。「家康」の大坂帰りの一場面には、主人同様に目が熱くなる。「北条」との対話は後を考えると残念でならない。2024/06/24
みゆ
84
馬廻役って殿の側近衆のことなんですね。上田で九死に一生を得たものの、鉄砲大将から外され家康の身辺警護に付くことに。これが知恵働き・気働きの苦手な茂兵衛には大苦痛。読んでる私も盛り上がらない"(-""-)" でも最後の最後に家康の軍制改革で侍大将に大抜擢 キタ――(゚∀゚)――!! 次巻では盛大に鬱憤を晴らせてもらいたいもんです('∇^d)☆!!2023/04/22
やま
82
徳川家康の家臣で足軽から出世した植田茂兵衛の出世の物語です。天正十三年(1585)八月。信州上田城の真田昌幸との戦いで植田茂兵衛は、討死したと騒がれたが、真田家嫡男、真田源三郎信之によって捕らえられ戸石城の土牢に囚われている。その茂兵衛が、浅間山の噴火で土牢が壊れた。そこにあらわれた信之によって逃がされる。家康の元に戻った茂兵衛は、家康の馬廻り衆として家康の側に控えて意見を求められるが、武骨で、戦うことしか知らない茂兵衛には適切な答えを出すことが出来ない。→2022/12/22
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