内容説明
新たに版図となった甲斐と信濃を踏みならすため、茂兵衛は信州惣奉行の寄騎として東信濃に派遣される。彼の地でまみえたのは有力国衆である真田昌幸。実力は申し分ないながら狡猾さと変わり身の早さから信用が置けないと評される御仁である。一方その頃、主君家康は苦悩していた。織田家を簒奪した秀吉との間で開戦の気運が高まるものの兵力の差は歴然、しかも血気に逸る徳川家臣団は制御不能に陥っていた。かような訳で、隠れ非戦派の茂兵衛にもついに出陣が命じられるが……。戦国足軽出世物語、右顧左眄の第8弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
298
有名な小牧長久手の戦いがメイン。大きな戦であり、いつも通りの臨場感も堪能出来る。ただし、裏の事情が錯綜し、徳川側にとっては、勝たなくてもいい戦として位置づけられているので、沸点は低く、さりげなく警鐘が鳴らされているように、徳川勢の気の弛みが見える描かれ方。ついに真田昌幸が登場し、これがまた、油断も隙もあったもんじゃない曲者オーラが全身から滲み出ており、次の『上田合戦仁義』では、さぞ危機的展開になるのではと予想させる。その伏線を敷くためか、茂兵衛の態度が、妙に中途半端になっている点に若干の違和感。2022/08/04
みっちゃん
161
「真の悪党」真田昌幸との対面。私の中では完全に『真田丸』の草刈正雄さんのイメージで固定されてるもんで「鼠みたい」と言われて戸惑う(笑)平八郎の娘御、稲姫が後に家康の養女となって…やっと色々結び付いてきたよ!「勝たないまでも負けない戦」小牧長久手の後で、家康は秀吉とどう向き合うか。決戦あるのみ!と意気上がる家臣団の前でまたも家康が茂兵衛に…ああ、気の毒に…2022/11/15
ねこ
150
今回は主人公の植田茂兵衛と並んで茂兵衛の今回の直上司である団栗眼の大久保忠世いやいや、惣奉行様が随分とクローズアップされたお話でしたね。人懐っこい顔で現職に相当する気概が無い古狸っていうのが私のイメージです。まー、どこの上司も欠点の3つや4つや5つくらいありますよね。…茂兵衛も37歳。しかし最前線で未だ向かう所敵なしの剛力。日頃の鍛錬ですね。そして部下に対しての心配りがきめ細かい。そして思い通りには行かない。ストレスで熊担があるから大丈夫なのだろうか?侍になって20年。最後の最後で茂兵衛が大変な事に…2022/11/28
のり
101
「茂兵衛」には休む暇もない。信頼があるからだが、真夏・真冬の行軍は戦に匹敵する位に過酷だ。それも距離がハンパない。現代人には不可能。信長の死以降、拡大する秀吉の勢力。信雄への不義理に対して憤る三河衆。義に篤いのが逆に家康を悩ます。本音は戦を避けたいところ。しかし、主君の思いを知らず、熱は高まるばかり。そしてついに小牧長久手の戦いヘ…徳川の底力を垣間見た。信雄の身勝手には呆れるしかない。2024/01/21
みゆ
85
う~ん、今作の茂兵衛はスッキリ爽快♪とは行かなかったかな。守るものができると中々言いたいことも言えないよね。でも最後に言っちゃった(;・∀・)アラアラ さて、今作で存在感をバリバリ出した真田昌幸。知略謀略でどれだけ翻弄させてくれるのか、上田合戦仁義楽しみです('∇^d)☆!!2022/11/08
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