内容説明
家康の危機を身を挺してかばい、九死に一生を得た茂兵衛。ようやく傷も癒えたころ、会津征討の陣触れが諸大名に下された。上杉景勝の戦支度を糺す家康の書状に、上杉家家老の直江兼続が無礼千万な返書を寄越したのだ。だが、江戸を経て会津に迫らんとした矢先に、石田三成挙兵の報が舞いこむ。家康はすぐさま北上を中止し、畿内にとって返して三成を討つことを決意する。茂兵衛率いる鉄砲百人組は、先鋒の福島正則、黒田長政らとともに、東海道を西へと奔る。戦国足軽出世物語、機運到来の第十六弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
93
シリーズ16最新作 関ケ原あとほんの少し2025/07/09
saga
48
朝廷・豊臣家から公式に会津(上杉)征伐を認められた家康が東北へ下る。その間に石田三成が蜂起したことは史実である。すでにこの頃、徳川家内の若い世代は家康を神格化していた。対して茂兵衛を始めとした古参の家臣は人間・家康を知っており、天下取りに向けて最後の最後まで状況判断に悩み、調略に費やしていたとする書きぶりが面白い。本巻では、竹ヶ鼻城の戦いを中心とした関ケ原前哨戦を描く。木曽川渡河と、攻城戦における茂兵衛の足軽然とした戦働きを楽しめた。「天下分け目の関ケ原」の後に主導権を握りたい徳川勢の苦悩もよく分った。2025/06/17
アイシャ
47
大怪我から回復しつつある茂兵衛。よかった。今や上方は政治の世界。豊臣家の大名たちを分断し、秀頼が成人する前に主要人物を叩いておきたい家康。豊臣本体を無力化して天下簒奪を目指す。家康の会津征伐の間に三成が挙兵した。会津征伐を中止して西軍を討つと宣言。茂兵衛も平八郎らと西を目指す。岐阜城を目指し木曽川を渡ろうとするが阻まれる。激しい戦闘の最中茂兵衛の体調は復活。自分が武人であると再認識。竹ヶ鼻城を落とし岐阜城へ。関ヶ原まであと十七日。2025/07/29
yamatoshiuruhashi
45
いよいよ今回こそ関ヶ原での戦か、と思いきや本編、「中」になっており未だ関ヶ原の本戦に届かず、前哨戦。戦後の処遇まで考える家康は豊臣秀吉恩顧の武将たちには味方といえど突出した武勲を上げさせない、かといって戦には勝たねばならないという方針を密かに掲げ、そのもとで苦労する茂兵衛、相変わらず戦好きの平八郎など、それぞれの思惑と行動が面白い。2025/07/01
ポチ
36
関ヶ原の前哨戦の岐阜城攻略まで。平八郎と茂兵衛の掛け合いは相変わらず楽しいですね。出世はしてもいつまでも平八郎の子分のままなのは仕方がないですね。そしてやっぱり茂兵衛は戦場が似合いますね。2025/06/27
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