内容説明
そういえば、あの本のこと、なんにも知らずに生きてきた。
一度は読みたいと思いながらも手に取らなかったり、途中で挫折してしまったりした古今東西の「名著」を25分間×4回=100分で読み解きます。各界の第一線で活躍する講師がわかりやすく解説。年譜や図版、脚注なども掲載し、奥深くて深遠な「名著の世界」をひもときます。
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■主人公の成長と立身出世を描く「教養小説」の名作として長く親しまれてきた『大いなる遺産』。
19世紀当時のイギリスで浮上していた階級社会や実力主義社会、そしてジェンダーの問題を取り上げながら主人公ピップの成功と挫折に潜む謎を解き明かし、真の成長とは何かを考える。
■講師:河野真太郎
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
38
貧しいヒップの成長過程には、ミス・ハビシャムと出会い何不自由なくわがまま放題に育てられたエステラに翻弄されるというとんでもないトラップが仕掛けられている。彼女たちによって、ヒップは強い差別意識を植え付けられてしまうのだ。だが、ヒップの周囲には何人もの善意の人がいる。ヒップの目がなかなか彼らの方に向かないのがもどかしくてしかたないのだが、それこそがディケンズのストーリー構成の妙でもある。第3回のジェンダーの問題については、ちょっと深読みしすぎているような気がしないでもなかった。2026/06/12
海燕
29
ディケンズは翻訳でクリスマスキャロルと、大学時に原書で「Sketches by Boz」を講読した。教養小説という区分を昔は意識していなかったが、学生時代に読んだヘッセの「車輪の下」「デミアン」などは、ドイツのビルドゥングスロマンの代表作なのだった。主人公の体験を通して語られるから、読みやすく感じたのかもしれない。「大いなる遺産」は今回、興味を惹かれたから次に読みたい。19世紀中頃に書かれた、労働者階級の立身出世を題材にした物語である。時代背景の違いなどを知らないと面白くないが、本書で予習ができる。2026/05/24
GELC
10
単なる立身出世物語に留まらない多層的な読みができる、深い作品だと分かった。しかし、解説者のフェミニズムやケアの理論に寄せる論調に、数か月前のドラキュラの時に感じた、「ちょっと無理読みでは?」という違和感がよみがえってきて、参考文献を見ると、その時の解説者の方の著作があり、なるほどと思った。主人公が多様な価値観を学び単なる階級上昇を是としない人間に成長したこと、打算的な行動が成功に繋がるとも限らないことなど、番組でもっと掘り下げて学ばせていただきたい。2026/05/02
カロン
4
まずは、クリスマスキャロルが有名な作者さんだと入り、読み進めていくうちに、まだ私にはこの本は早そうと思った。とりあえず読了はしたけれどもモヤモヤする感じ。また数年後に読んでみて、するする読み進められるなら原著にもトライしようかと思います。
ソニックゆうすけ
4
イギリスの階級社会を描いたビルディングスロマン(教養小説)。本書は遺産相続ストーリー、ジェンダーやDV問題を交えながら、ディケンズの社会や人への視線は優しいという所に帰結する。番組と共にとても面白かった。2026/05/27




