内容説明
世代をこえて愛され続けるアニメ「まんが日本昔ばなし」が一冊の絵本に
テレビアニメ「まんが日本昔ばなし」(毎日放送系・1975年1月~)
文化庁優秀映画作品賞
厚生省児童福祉文化賞(放送部門)
――美しい日本語、日本のこころの原点
《かいせつ》
これは九州・宮崎地方の昔ばなしです。お椀など、漆器の塗料としてかかせない漆は、とれる量が少ないだけに、昔から高価なものでした。ですから漆とりの兄果は、洲(水がよどんで深いところ)の底に上質の漆を発見して大よろこびします。
この貴重な漆と、神秘的な淵とをむすびつけ、そこに竜が出現します。竜は想像上の動物ですが、こんな淵にはいかにもすみついていそうです。斧を水に落とすところは、イソップ寓話『金の斧・銀の斧』にも似ています。
兄が、弟をおどすつもりで作った木彫りの竜……それが本物の竜に化けるというのは、SF映画のようなおもしろさもあります。そのうえで、「欲に目がくらむと、ひどいことになる」という教えを説いています。



