内容説明
人としての二藍は消え、その後に降り立った記神は、兜坂国は滅国を避けられないと告げた。だが鮎名は、兜坂国は滅びないと確信を持って言い切った。なぜなら二藍が消えた後に降り立つのは本来、ひとつ前の号令神である夢現神だったはずなのだ。だが現れたのは記神。二藍は、滅国を避けるために策を遺していた。己の身を真なる滅国の神とならせないため、国を救うため、『夢のうち』に籠って心を守ったのだ。そして後は綾芽に託された。物申としての力を取り戻し、神に刃向かうのだ。否を突きつけるのだ! 古代和風ファンタジー、堂々完結!!
目次
第一章 その花、再び芽吹く
第二章 愛しき滅国の神を招く
第三章 再び会いて、再び別るる
終章 神招きの庭にあやめ咲く
[拾遺一]黒白と紫
[拾遺二]いつかのまどろみ
[拾遺三]笑みを贈る
補遺
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
34
消えてしまった人としての二藍。その後に降り立った記神は半年後、号令神と化した二藍が滅国の神命を下しに訪れると告げる第九弾。しかし鮎名が兜坂国は滅びないと確信を持って言い切った理由。兜坂国の滅国を避けるために策を遺していた二藍。そして運命に否を突きつける役割を託され、神に刃向かうために物申としての力を取り戻そうとする綾芽。もちろん彼女だけでなく、斎庭や八杷島の面々も協力する文字通り総力戦と言える展開で、何度も絶望を突きつけられながら、それでも最後までお互いを信じぬいてみせた二人の結末はなかなか良かったです。2024/01/18
りー
21
愛は全てを越えるのよ、的な物語になってしまったので、正直惰性で読んでいましたが、まあ、予想通り愛が全てを越えてハッピーエンドで。神々の理はそれほど甘くなかろうに…と思ったけれど、ラノベとしては正しい終わりかた。斎庭の描きかたは好きだったんだけどな~。2024/02/10
栗山いなり
12
滅国を阻止するために奮闘する綾芽とその周りの人達の最後の戦いを描いた和風ファンタジー小説シリーズ最終巻。いやー最後だけあって色々と盛りだくさんだった!滅国を阻止するための戦いがどうなったのかは自分の目で確かめてほしい所だけど自分の感想言わせてもらうとホッとしてる2024/02/25
粋
11
最終巻。兜坂国の人々が一丸となって明るい未来を見据えて進み始めたからか、終始うるうるしながらではあるが頁が進み一気読み。綾芽と二藍を分かつものが無くなるのが…長かった。だからこそ、最後はもっとこれでもかと甘々よかったのに。主上と鮎名の方が幸せそうじゃないですか(笑)その後の短編いくつかでもう一冊出ないかな。2024/04/06
てみさま
9
チーム怨霊の活躍があって嬉しかった。物申の力バンザイだ。万感の思いで222ページの二行を読んだ。本当に完結したのだと思うと少し寂しい。2024/01/27