内容説明
兜坂国の斎庭(後宮)は、神を招き、もてなす場。ここでは神々は実体を持ち、人の営みに介入する。神命に逆らう力を持つ綾芽は、滅国の危機を救ったため、春宮(東宮)の二藍の妃となった。王弟の二藍は、人でありながら神の性質を持ち、心術を操る“神ゆらぎ”と呼ばれる存在だが、人と交わることができず、常に孤独を抱えていた。そんなとき、隣の大国・玉央の神が兜坂国に凶作をもたらす神命を下す。災厄を前に綾芽と二藍がとった策とは……。
目次
第一章 斎庭に神ゆらぐ春宮の立つ
第二章 玉盤の神は斎庭に嵐呼ぶ
第三章 禁苑の野にて想いを分かつ
第四章 霧の先にまことの頂現る
第五章 指の背に紅を交わす
第六章 雨に嵐にひょうと射る
第七章 斎庭に先触れの来る
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅてふぁん
47
綾芽と二藍の立場や関係性、特に二藍の内面に注目の第二巻。玉盤神が何なのかはまだ分からないけど、得体が知れないからこそとても恐ろしい神だ。石黄は何を考えていたのか、八把島の思惑は何なのか…これから二人は他国との面倒な駆け引きに奔走することになりそう。不穏な終わり方だったので続きが気になる。2020/11/02
よっち
28
兜坂国滅国の危機を救い、春宮となった二藍の妃となった綾芽。今度は隣の大国・玉央の神が兜坂国に凶作をもたらす神命を下す第二弾。災厄を回避するための策を模索する二藍たちの奔走。一方神ゆらぎの二藍を人に戻すため、人に戻る方法を探す綾芽。思わせぶりなライバルっぽいヒロインとか恋敵的存在が現れたり、思うところも伝わらないしでお互いにやきもきする展開でしたけど、国難とともにそれを乗り越えて、二人の距離感的にも一歩前進する展開にはぐっと来るものがありました。それにしてもやってきた祭官がまた波乱を呼び起こしそうですね…。2020/11/22
かなで
19
新刊発売のため再読。和風ファンタジーが大好きだから、後宮を模したこのストーリーが胸を打つ。 2021/02/19
ひめありす@灯れ松明の火
16
どんどん面白くなってきました。今年上半期のbest5には入っちゃう。2021/06/20
粋
11
ちょくちょく出てくる女性キャラ達に、誰だったかしらと思いながら読了(笑)今回は二藍の気持ちどころか弱音の吐露に堪らなくなるが、普通ならここから関係が進展するところをしないもだもだが今後効いてくるのかしら。他国キャラがも登場し、二藍も感情面で人間臭さが出てきて次が楽しみである。白狼は今後重要になってくるのか!?2023/06/30