内容説明
兜坂国の斎庭(後宮)は、神を招き、もてなす場。実体を持つ神々は豊穣と繁栄を招く半面、ひとたび荒ぶれば恐ろしい災厄を国にもたらす。地方の郡領の娘・綾芽は、親友の死の真相を探るため上京した。そこで偶然、荒ぶる女神を鎮めてみせた綾芽は、王弟の二藍に斎庭の女官として取り立てられる。だが、それは国の存亡を揺るがす事件の幕開けに過ぎなかった……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅてふぁん
47
国中の神を招きもてなす兜坂国の後宮、斎庭。王弟で神ゆらぎの二藍に女官として取り立てられた綾芽は国の存亡を揺るがす大事件に巻き込まれる。神と人とは相入れぬ存在で恐ろしいものとされているこの物語の世界観はよく練られていて、主要な登場人物も好ましくて面白かった。頼りになる兄姉のような大君と妃宮もいることだし、二藍と綾芽の2人ならきっと大丈夫。続きがあると信じて待ってる!2020/09/06
よっち
37
豊穣と繁栄を招く反面、ひとたび荒ぶれば恐ろしい災厄を国にもたらす神々を招きもたらす兜坂国の斎庭。親友の謎の死を探るため、地方の郡領の娘・綾芽が上京する和風ファンタジー。偶然、荒ぶる女神を鎮めてみせ、王弟の二藍に斎庭の女官として取り立てられる綾芽。少しずつ育まれてゆく二藍との信頼関係と、明らかになってゆく親友・那緒の死の真相、そして国の存亡を揺るがす危機。誰を信じればいいのかどうすべきか、ギリギリの駆け引きの先にあった関係は何とも複雑でしたけど、あの二人ならきっと乗り越えて幸せを掴んでくれると信じています。2020/05/21
ひめありす@灯れ松明の火
31
これ面白いですよ!当たり前の様に専門用語出てくるし、基礎的な神道知識ないと読みにくいですけど!でも一度入ってしまうと甘くない硬質な和風ファンタジーが待ち受けてます。一筋縄で行かない登場人物達がほんのちょっと素を出しつつ交差していくのが面白い。2021/06/09
チロ子
30
図書館本。後宮では危険もあるが国の存続のため神を招き、もてなす。失敗すると取り返しのつかない事にもなる。親友の死の真相を知るため上京し、偶然会った王弟の二藍に手助けされ、ヒロイン綾芽は入り込む。 とっても面白く、読み応えがありました! ただ折角の主人公達が活躍する場所が、 あっさりなのは残念でもっとみせて欲しかった。刀や弓。 続きもぜひ出て欲しいです( *´︶`*)2020/10/26
ひぬ
22
古代和風ファンタジー。亡くなった親友の死の真相を探るため、兜坂国の斎庭に采女としての仕事を求めて突撃する綾芽。初っ端から荒ぶる女神を鎮める綾芽ですが、大王の弟の二藍に仕える中で、彼女は次第に彼との絆を深めながら那緖の死の真相に迫ります。前半は設定が小難しいせいか、少し理解しにくかったですが、物語が進むにつれて、引き込まれました。独特な漢字の読み方を覚えるのは大変でした。別に黒幕がいると仄めかされたエンディングだったので、ちょっとスッキリしない終わり方でしたが、続刊は読むかも。2021/04/18