内容説明
神を招き、もてなす場である兜坂国の斎庭(後宮)に、神気を補う劇薬「神金丹」が持ち込まれた。人が飲めば命を落とし、神と人の性質を併せ持つ“神ゆらぎ”が飲めばその身は完全な神と化す。これをもたらしたのが友好国である八杷島と知り、綾芽と二藍は警戒を強めていた。さらに、かつて身分を偽って兜坂国に潜入していた娘が、八杷島の祭官・羅覇として再び斎庭に現れた。八杷島の真意が知れぬ中、地方で疫病が発生する……。神鎮めの少女の古代和風ファンタジー!
目次
第一章 兜坂国に花散らす風の吹く
第二章 桃危宮に死を運ぶ神を招く
第三章 金銀の鶏は封じられた夢を持つ
第四章 朽ちた宮に絶えず花の散る
第五章 桜吹雪に待ち人の声を聞く
第六章 夢のさき、悪夢のいやはて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
35
かつて兜坂国に潜入していた娘が八杷島の祭官・羅覇として再び斎庭に現れ、警戒を強める綾芽と二藍。八杷島の真意が知れぬ中、地方で疫病が発生する第三弾。疫神を鎮める祭礼に失敗し、疫神ごと自らを結界に封じてしまう祭主の鮎名。救出に向かおうとする綾芽たちに羅覇が提案した策。思惑が読めぬままその提案に乗らざるをえない展開で、二藍が突きつけられたものは今後に向けての重要なポイントになりそうでしたけど、一方で育んできた綾芽との絆も大切なものになってきてますね。最後に垣間見えた羅覇や十櫛の思惑も気になるところではあります。2021/03/26
まゆっち
9
十櫛や羅覇(は再登場だけど)といった、新たな人物の登場でまた物語が大きく動き出しました。塞ぎ熱という災厄、夢幻神によって災厄を封じた鮎名の救出など、目まぐるしい展開。二藍の絶望が心配です。2022/01/05
メロンパン
9
⭐️⭐️⭐️⭐️2021/03/11
梅みかん
8
理の神と言われる由縁、神ゆらぎが神になった場合の悲劇など、色々なことが明かされた。十櫛はニ藍には的は置かれていないと言っているけど、置かれてしまった。 綾芽とニ藍の、そして国の未来を拓く鍵は綾芽の物申しの力と、二藍との絆。 人を人たらしめてるのは、血でも地位でもなく、心の有り様と大切な人との絆。2021/10/19
あい
8
「神」と「神ゆらぎ」と「物申」。そして国同士の問題。なかなか独特な設定に理解が追いつかない部分もありますが、不可能と思われていたことを可能にし、二人がハッピーエンドを迎えることを期待して応援し続けるのみです。2021/07/10