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内容説明
大学・大学院など高等教育機関における理系分野の女性学生の割合は、OECD諸国で日本が最下位。女子生徒の理科・数学の成績は世界でもトップクラスなのに、なぜ理系を選択しないのか。そこには本人の意志以外の、何かほかの要因が働いているのではないか――緻密なデータ分析から明らかになったのは、「男女平等意識」の低さや「女性は知的でないほうがいい」という社会風土が「見えない壁」となって、女性の理系選択を阻んでいるという現実だった。日本の男女格差の一側面を浮彫りにして一石を投じる、注目の研究報告。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
121
日本は世界的に見て理系女性が少ない国で、OECD加盟国の中で女性の割合は最低です。特に工学・製造・建築領域で16%、自然科学・数学・統計領域で約27%で、OECD平均はそれぞれ26%、52%である。著者は東京大学教授・カブリIPMU副機構長で、日本の女性の理系進学を阻む壁を見つけるためプロジェクトを始めた。その結果、ジェンダーステレオタイプと数学ステレオタイプが浮き彫りになった。特に親の世代の就職を意識した固定観念と数学・物理学は男性が強いという社会風土が大きい。日本は男女ともPISAで優秀な成績である。2023/01/06
たまきら
47
基本的にはデータ分析といった内容です。私情が伝わってくるとしたらやはり日本のジェンダー格差への不満でしょうか。これは、私たち女性には共通認識ですが、より多くの男性に理解してもらうためには彼らの言語で説明する必要があり、このデータ分析ではどのぐらいの男性が理解できるだろうか…と読みながら暗い気持ちになりました。中学の理科クラブで女子一人だった自分に、先生も誰も声をかけてくれなかった。あれから理科への情熱を自分だけに秘めてしまったけれど、あの悲しい体験は未来の女性にさせたくないです。2023/06/21
ねむりん
20
将来、理系分野に進む娘のために読んだ。理系に女子が少ないのは親の(特に母親の)影響があるという著書の内容に重たいものを感じた。同意。いまだ男子優勢の日本社会で、自分の子供になんとか幸せに生きていってほしい親心から、理系を勧めない家庭はあるだろう。我が家の場合は、夫が心配のあまり娘の進路の幅を狭めようとしている。例えば、自宅から通える大学でよいのでは?又は、結婚出産に差し障りがあるので大学院進学は辞めたほうがいいのでは?等々。今の日本社会の状況を嘆いても仕方ない、今の自分がやれる支援をしていこうと決めた。2024/10/14
kitten
19
図書館本。理系の女性が少ないのは、ジェンダーギャップがあるから。まず、男女で能力差がない、という前提に立てない人は、議論に参加できないような。理系の中でも数学、物理は特に少ない。私の昔のイメージだったから、どこに就職するの?って思ってたけど、理系はどこでも就職できるっぽい。東大生が圧倒的に男性が多い日本は、異常だ。女性が勉強できてはいけない、という空気が最大の問題。それは、例えばフィクションの世界でもそうだよね。理数系の強い女子高生ってキャラ、あまりいないと思う。社会が変わっていかなければ。2023/07/02
Mark X Japan
17
現実的には、かなり難しい問題で、フェミニスト的な著者の論調だけで、解決するとは思えません。著者否定の医学部入試女子差別問題の原因や、地球温暖化完全人為説の盲信などの細部の突っ込みどころも満載です。フェミニズム時代の今こそと思っているようですが、そもそも、著者は、#Me Too運動の不都合な真実などを知ってているのでしょうか。学者の机上の空論と紋切り型の調査とその結果だけでは、タイトルの解決にはほど遠いです。人は、見たい現実しかみないことを強く感じた一冊です。俎の上に乗せたタイトルは評価できます。☆:3.52022/12/31
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