文春文庫<br> アンの娘リラ

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文春文庫
アンの娘リラ

  • ISBN:9784167921507

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内容説明

日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ完結の第8巻!

アン48歳、第一次大戦が始まり息子3人が兵隊として欧州の戦場へ。
出征を見送り、激戦が報じられる不安な日々、赤十字の活動をして、家族の無事を祈る。
そして悲劇、感涙の復員。アンの娘リラの視点で描く戦争と銃後の暮らし、リラの成長と甘い恋。
日本初の全文訳・訳註付アン・シリーズ完結の第8巻。
地図、写真、年表入り。

●特徴1──日本初の全文訳
●特徴2──巻末訳註で、作中の約590項目を解説
●特徴3──口絵写真10点と地図2点
●特徴4──あとがき……小説をより深く味わうために
●特徴5──付録の年表

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あたびー

37
アンサーガ最終巻。主人公は末っ子リラで、アンは既に「ブライス夫人」と表され、少し寂しい。前巻で示された「笛吹き」の不穏なイメージはWWIの勃発となって現れる。パーティー会場で開戦が知らされるシーンは「風と共に去りぬ」を思い出させる。アンの息子達は戦場へ赴き、娘たちは銃後の活動に励み、リラは何と孤児の赤子を世話することに。戦争に翻弄されて少女だったリラは大人の女性へと変貌する。シリーズにはあと3冊の短編集があるので、松岡氏には是非そちらも訳出して下さることを期待する。2024/05/22

信兵衛

23
本作は、第一次世界大戦当時の、銃後の女性たちの暮らしを敢えて描き、同時に若い娘リラの成長と恋を描いた物語、と言って良いのでしょう。 ふと、レマルク「西部戦線異状なし」を懐かしく思い出しました。2024/01/27

本の蟲

17
『赤毛のアン』から始めるシリーズ完結巻。アンの娘、14歳のリラ視点で描かれた、1次大戦で一変する日常、兄弟の出兵、戦時下での銃後の暮らし。良く言えば純粋、悪く言えば一面的な「邪悪なドイツの野望を阻止すべく、正義と平和のために戦う」という論調には胸焼けしたが、時代背景と立場の問題だろう。当初『赤毛のアン』がカナダの話とも知らずにシリーズを読み始めたが、カナダの歴史・文化の薀蓄は面白く、聖書や欧米古典文学の引用(1ページにつき5、6か所にも上る脚注)は非常に読み応えがあった2024/01/13

おだまん

8
松本さん訳アンシリーズ完走。戦時色の濃い内容。感動のラスト。世代交代してここからまた新しい物語が紡がれていくのですね。自分もリフレッシュ。ケルト色が前面に押し出されたこの訳を読めたのは至福です。2024/12/31

hitotak

8
第一次大戦下の物語。主人公は末娘のリラになり、アンの息子達は出征する。この小説が書かれたのは終戦から3年後の、まだ戦時の記憶が強く残る時期。戦況に一喜一憂する苦しい銃後の生活が非常に生々しく書かれ、100年前の戦争にリアリティを感じる。敵国を憎み、戦争に反対する平和主義者を批判し、愛国心に燃える登場人物達の描写には一部違和感もあったが、時代と、英国の連邦国家というカナダの立場も大きいのだろう。既刊以上に注釈が充実していて、あまり知識のなかった第一次大戦の主要事項や当時の世論もよくわかり、読み応えがあった。2024/05/15

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