文春文庫<br> 風柳荘のアン

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文春文庫
風柳荘のアン

  • ISBN:9784167914332

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内容説明

●日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ第4巻

アン22歳、プリンス・エドワード島の港町で学校長となり、風柳荘(ウィンディ・ウィローズWindy Willows)に下宿する。

アンに敵対する町の有力者プリングル一族、冷淡な副校長キャサリン、隣家の孤独な少女「小さなエリザベス」に心痛めるも、アンの明るさと誠実さ、グリーン・ゲイブルズのうるわしさと住む人々の慈愛が、幸せな明日へ導く。

アンから、婚約者ギルバートへの恋文で綴る、幸せな3年間の小説。

●アンの幸せな生き方
「あなたは、美しいものとロマンスから出来ている小さな魔法の国に住んでいるみたいだもの。『今日の私は、どんな喜ばしい発見をするのかしら』……これがあなたの生きる態度よ、アン」
『風柳荘のアン』二年目第5章

●特徴1)日本初の全文訳
モンゴメリが愛読者に捧げた「献辞」に始まる、日本初の全文訳。
従来訳で省略・改変された部分を、モンゴメリの原書通りに翻訳。

●特徴2)巻末訳註で380項目について解説
ギルバートへの手紙にアンが書いている19世紀のファンタジー小説『北風のうしろの国』(ジョージ・マクドナルド著。C・S・ルイス著「ナルニア国物語」の結末に大きな影響を与えた)と本作との関連について解説。また作中に登場するシェイクスピア劇、テニスン、キーツ、ポー、ロングフェローなどの英米詩、聖書の句、移民国家カナダにおける登場人物の民族、人名の意味、19世紀カナダの料理と菓子、手芸、草花、服地、風習、プリンス・エドワード島の地理、カナダの歴史、キリスト教、ケルト族とアーサー王伝説など、全章から380項目について、75頁にわたる訳註で、わかりやすく解説。当時のカナダの暮らしとモンゴメリの知的な仕掛けがわかり、本作の奥深い魅力が楽しめる。

●特徴3)口絵写真12点と地図2点
小説の舞台プリンス・エドワード島サマーサイドで、訳者が撮影した本作ゆかりの写真を12点掲載。アンが下宿する「塔のある家」の一例、サマーサイドの大通りと港、プリングル一族の邸宅を思わせる豪邸など。また雪景色のグリーン・ゲイブルズ、モンゴメリが1935年に本作を書き始めたオンタリオ州ノーヴァルの牧師館など。カナダ東海岸と島の地図も収載。

●特徴4)あとがき……小説をより深く、楽しく読むために……
一、『風柳荘(ウィンディ・ウィローズ)のアン』と『北風のうしろの国』
二、アンの下宿の屋号「風柳荘」
三、小説の舞台サマーサイドとモンゴメリ
四、アンが暮らす塔のある家「アン女王復活様式」
五、本作の構成--アンの物語に織りこまれるスピンオフの短編小説
六、三つの文体からなる小説
七、スコットランド系カナダ人の小説
八、風柳荘と風ポプラ荘
九、アン・シリーズが書かれた順番
十、本作執筆前後のモンゴメリと日記
十一、アンの誠実さとグリーン・ゲイブルズの魔法で生まれ変わる人々

日本初の全文訳・巻末訳註付『赤毛のアン』シリーズ、待望の第4巻!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さつき

81
サマーサイド高校の校長になったアン。婚約者のギルバートはまだ医学生。しばらくは遠距離恋愛が続きます。この作品は大部分がアンからギルバートへの手紙として書かれた書簡体小説で学校での出来事、新しい知人達をめぐる騒動などを中心に描かれています。前作までとは違いアン自身の物語というよりはその周辺のエピソードを詰め込んだ短編集のような印象。子供の頃に読んだ時はそこが少し物足りませんでした。今回解説を読み、今作が『アンの愛情』と『アンの夢の家』の間を埋めるように20年後に執筆されたことを知り納得しました。2020/11/15

みうか

59
赤毛のアン4作目🇨🇦サマーサイドの港町で校長となったアンと医学生のギルバートは遠距離恋愛中💕あんなにツンツンしてたアンだけどギルバートの愛を素直に受け止めてからはちゃんとデレるようになり、お転婆な少女はすっかり落ち着いた大人のレディに。故郷の家族やギルバートとの愛に満たされてる心の余裕からか、新天地でも多くの迷える子羊のハートを癒やします。時代的に劣悪な環境で育つ子供が多い故に、なおさらアンの前向きな姿勢と優しさが温かい。今回は小さなエリザベスとレベッカ・デューが好き♡表紙の猫はダスティミラー✨2021/01/16

まあか

49
どんな困難にもめげずに立ち向かい、道を切り開いていくアンの逞しさに拍手。アンの暮らしは、常に前を向いて、明るい方へと目指していく。もちろん時には失敗するし、みんなに好かれるという訳でもないが、人間らしく、とても好感が持てる。人の奥深さも感じられて、とても楽しく、素敵な気持ちになれる。アンシリーズ、最高!!!!2022/06/02

あたびー

38
松本侑子番アンシリーズ4作目。村岡花子版では「アンの幸福」と題されていたが、解説で作中風を意識した表現が多く、作者の意図を汲んで原題通りにしたということを読み、素晴らしいと思った。サマーサイドで校長職に就いたアンは、地元有力者プリングル家一族のいじめに会うが、ひょんなことから彼らと折り合いをつける。隣家の薄幸の少女エリザベス、気の合わない同僚キャサリン、色々な面々が登場するが、なんと言ってもレベッカ・デュー。ちょっと扱いにくいがこれほどの善人(しかも面白い!)もちょっといない。2024/02/21

baba

36
アンがサマーサイドの校長として赴任した様子をギルバートへの書簡で語る。松本侑子さんの文章がすんなりと入って、街の様子や人々の暮らしぶりが伝わってくる。訳者によるあとがきや注釈も楽しみ。2021/03/07

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